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紅魔赤軍3 紅魔館において執事として働く○○であったが、 ここ最近彼にモテ期が訪れていた。彼を好きだという メイドの女性が彼に猛烈にアプローチして来たので ある。今も彼は廊下で、彼女に迫られている。 「○○さんに教えて頂いたおかげで助かりました。 本当○○さんはいい人ですね。」 「いや、其程では無いですよ。」 彼が謙遜するも、彼女はグイグイと迫ってくる。 「そんなこと無いですよ!他の人も噂しているん ですよ。○○さんが皆に親切だって。」 周りの意見を付け加えて、自分の意見を補強している 辺り、彼女は中々強かであろう。 「いや、そう言われると何だか恥ずかしくって…。」 あくまでも低姿勢な彼に彼女は攻め口を変える。 「○○さんはクッキーとか好きですか?」 突然の申し出に彼は思わず本音を零す。 「まあ、偶に食べる程度かな。里で買うのは機会が あまりなくって。」 そうして開いた突破口に攻め手は突撃する。 「あら、そうなんですか?でしたら今度作るので 是非食べて下さい。」 ここに来て、彼はしまったと思うが今更自分がアレルギー 等と、嘘をついて躱すこともできない。 「楽しみにしていて下さいね。」 そうコロコロと鈴が鳴るような、甘い声と綺麗な笑顔で 彼女に言われると、彼はその申し出を断り切れなかった。 ところで、彼と彼女が楽しく話しているのは廊下であり、 密談には少々不向きであったりする。彼は廊下には誰も居ないと 思っているが、実はそうではない。例えば廊下の端から 紅魔館の当主が、彼と彼女を射殺さんばかりにじっと 見つめていることもあるのだから。 数日後、彼と彼女はまたも廊下で話し合っていた。 クッキーに舌と胃袋を捕まれた彼は、以前より彼女との 距離を縮めていた。 「いやぁ、あのクッキー美味しかったよ。今まで食べた クッキーとは全然違っていたよ。」 「本当ですか!嬉しいです。」 ちゃっかりと彼の腕を掴んで、更に彼に接近した彼女 は本陣に切り込んでいく。 「里の霧雨商店で買ったバターを使ったんですよ。そういえば 今度近くに新しい喫茶店が出来まして、買い物に行く時に 一緒にどうですか?」 彼が思わず頷きそうになった時に、怒りが籠もった低い声が 割って入る。 「咲夜。」 次の瞬間彼は、レミリアの後ろに立っていた。 歯ぎしりをしながら赤い槍を持つレミリアは、紅魔館で 雇っていた下働きのメイドに宣告する。 「彼に取り入って、何しようとしているのかしら。」 背後にメイド長の咲夜を控えさせ、彼に近づいた メイドの女に判決を下す。勿論判決は死刑のみである。 咲夜が彼の目を覆ったことを横目で見たレミリアは、 眼前にいる被告人に槍を突き刺す。廊下には濃厚な血の 臭いが漂う中、レミリアは硬直した彼の手を引き、自室に 連れていった。彼の背後に咲夜をつけているのは、せめて 彼が悲惨な状況を見ないようにする為か、それとも 彼が逃げないようにする為か… 部屋に着いたレミリアは咲夜を下げて、二人っきりで 彼を詰問する。 「いい、あの女は貴方に近づいて、紅魔館に侵入 しようとしたスパイなのよ。」 「そんなことはない筈…。」 恋人がいる時に、更にもう一人からアピールされる という、初めてのモテ期に浮かれた弱目もあってか、 彼が弱々しく反論するが、レミリアは口調を強めて断定する。 「いいえ、そんなことあるわ。私が運命を見なかったら 貴方はあの女にホイホイついていったでしょうし。」 首元に牙を突き立てて、彼の血を吸いながら、彼女は 尚も彼を追い詰める。 「貴方の価値を分かるのは私だけなんだから、あの女な んかが分かる訳がないじゃない。」 貧血になり朦朧とした頭で彼はレミリアを離そうと するが、いくら押そうが小柄な彼女を少しも動かせない。 「違う。」 「いいえ、貴方は私だけの物なのは違わない。」 意識が遠くなってきた彼に、レミリアは執拗に声を刷り込んでいく。 「貴方を愛しているのは私だけ。貴方を分かるのは私だけ。 他の誰にも渡さない。」 レミリアの歪んだ愛を受け彼の意識は暗転する。
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固め 固め前作との違い 特徴 固めパーツ一覧地対地 空対地 主に使われる連ガ構成 各技の詳細 打撃近A、AA、4A AAA AAAA 遠A 2A 3A 6A JA JAA J2A J6A J8A 射撃B C スキルヴァンパイアクロウ チェーンギャング デーモンロードウォーク デモンディナーズフォーク シーリングフィア スティグマナイザー バンパイアキス トリックスターデビル スペルハートブレイク 不夜城レッド ミゼラブルフェイト スピア・ザ・グングニル スカーレットデビル 空固め 前作との違い Ver1.10対応 レミリアの固めは前作と比べると、J2Cが滞空できるようになったおかげで強化という声も。地上C射がグレイズですぐ消えるようになったのは弱化か。 Ver1.10になり、グングで安定して霊力が削れるようになった。 特徴 端の固めは連ガ構成、狩り易さ等で強い部類。ほぼすべてのパーツで読み合いを仕掛けられるので、安定した抜けどころが少なく延々と固め続けられる。 中央はクロウを使わないとちょっと乏しい感じ。 レミリアの特性としてダッシュ攻撃から固められることをうまく使う。 基本的な流れは 近A,遠A刻み DA(D2A) (DAA) 近A等刻み DA(D2A)・・・ 等の簡易ループに J2B JA~,(C) J2C(D2C) JA~ の霊力削りを織り交ぜる。これらは着地するか否かの揺さぶりをかけて行う。 地対地 空対地 地対地 ~と繰り返すことで途切れることなく延々と揺さぶりをかけ続けられ、かつカードを貯めつつ霊力も削れる。 そうして焦れてきた相手のhjや暴れ、結界などをしっかりと狩り、動けなくなったところをC射やグングニル等で割っていくのがレミリアの固めのおおまかな流れとなる。 結界安定ポイントはj2A、3Aの2つのみで、残りは全て裏択が存在する。なお3Aはグングニルを持っていれば連ガになる。 固めの構成上暴れや抜けどころは多いが、それに対する裏択も大きなダメージに繋がるものが多いため、相手の癖を見て構成を変えられるようにしたい。 暴れる相手をただのカモだと思えるようになれば、それはある程度固めが上手く出来ている証拠である。 毎回同じ固めをするのではなく、個々の技を完全把握し、自由自在に固められるように。 固めパーツ一覧 簡易版 A or AA ├DA、D2A 着地or空中射撃 ├J2B(中央での運送択)、J2C~ ├遠A、2A 3A~ | ├6A 射撃orクロウ~ | └射撃~ └CorB ├J2C dc JA A~ | └J2C dc JA A~ ├J2A J2C~ └クロウ~ 地対地 コマンド 備考 AorAAor4A AAA AAAA 5B hj 空対地 5C hj 空対地 各種スキル Bフォーク ハートブレイク フォーク密着時限定、割れなければ不利 グングニル 各種スキル 5C~ 7hj j2B 66 jA 着地 中央運び用 空対地 D(2)A 空対地 着地 D2Aは暴れが通る D2C 66 空対地 2D 着地 遠A 遠A~ 2A 6A 5B~ 5C~ 各種スキル グングニル 3A 地対地 正ガもしくは密着始動で暴れが通る クレイドル 暴れ狩り、ガードで反確 グングニル 5B~ 5C~ 6A~ 3A~ 5B~ 5C~ 2A~ 6A~ 3A~ 5B~ 5C~ 空対地 コマンド 備考 j(D)A jAA 着地 j2A j2C 66 j(2)A j2C 66 jA jAA(j2A) 着地 j5C 着地 着地 j2A 着地 j5C 着地 2D 着地 j5C 着地 着地 j2C~ 2D 着地 着地 j2C~ 着地 j(D)2C~ 主に使われる連ガ構成 C J2C ~ Cで結界されると×。最も、慣れてないとJ2Cガードするまでに入力できない。J2C結界は簡単に狩れる。 D2C(J2C) J2C ~ JA振るか否かなので読まれない限り結界はあり得ない。たまに混ぜてやるといい。 6A、ウォーク等 グング 前歩き DA,D2A 霊力削り2.5 画面4割程運送。グングに結界で抜けられるがウォーク等で狩れる。 6A、ウォーク等 グング 前D DA,D2A or D2C 霊力削り2+1。結界されてもDAで勝手に狩れる。このあと継続して固めできる。 各技の詳細 打撃 近A、AA、4A 発生が早く、刻める。ディレイをかけることで揺さぶりをかける使い方と、AAA、2A、6A、射撃などへと繋ぐパーツである。ちなみにガードさせて1F有利。 刻んでガードさせると少しずつ後ろに下がる。範囲から出る前に他の技へと繋ごう。 また、それを利用して遠Aの距離調整することもできるが、近A刻んでるうちに霊力が回復しそうなら後ろ歩き遠Aのほうがいい場合も。 AAA AAから繋がる技。中段の攻撃で2回攻撃をする。1回目誤ガードで霊力0,5、2回目誤ガードで霊力1削る。AAAA、射撃でキャンセル可能 1段目射撃キャンセルというのもできる為、なかなかの揺さぶりをかけれたりする。 が、出し切るとあとに繋げられるものがA四段目のみなので択が少ない。 クロウがあれば打撃で数回択をかけれる。 AAAA AAAから繋がる技。6Aとモーションが同じだが、こちらはキャンセルができない。 中段技で、誤ガードで霊力を1削る。 AAA 射撃の流れをグレイズしようとする相手をひっかけられるが、これをガードされたら素直に通常の立ち回りへと戻ろう。 ディレイもある程度ならかけれる。 遠A レミリアの数少ない下段技。誤ガードで霊力を1削る。3A、6A、射撃でキャンセル可能。 誤ガさせればノーキャンセルで五分なのでもっかい貪欲にいろいろ択るのもあり。 諏訪子のしゃがみや、紫のダッシュには当たらないので注意。一点読み怖い。 2A 言わずも知れた空ガ不可技。リーチがありそれなりに強い判定。3A、6A、射撃でキャンセル可能。 空ガ不可を生かし、いれっぱをうまく狩ってやろう。 2A→2Aとジャンプを誘う方法もある。使い方次第ではとても強い。 空固めから着地→2Aもそれなりに優秀。 2A Cの流れはやりすぎるとDCでぶっとばされるので6A3Aでのキャンセルもしっかり混ぜること。 3A 数少ない下段技その2。空ガ不可だがかなり判定が小さいので、あまりそういった運用はできない。 スキルでもキャンセル不可なので結界安定ポイント。 誤ガードで霊力を1削る。Ver1.10から硬直が減った。 誤ガードなら密着でもほぼ有利、最悪でも近A同士が相内。 あまりにも下段ガードしない相手には使ってガードに揺さぶりをかけておこう。 正ガされた後、ときたまクレイドル混ぜて警戒させ、無理やり攻め継続を狙うのもありっちゃあり。 諏訪子のしゃがみ、紫のダッシュには当たらない。 6A 中段技。地味に空ガ不可。射撃でキャンセル可能。 近A、遠A刻みからHJやチキガを狩るならこっち。2Aだと狩れない。 誤ガードで霊力を1削る。距離しだいではB射が連続ガード。 射撃でキャンセルをするか、ウォークやクロウでグレイズ狩り、などの択がある。ウォークは反撃されやすいので危険ではある。 ホールドすれば中段クラッシュ。だがレミ固めは昔と違い、基本立ちガード安定なので屈ガさせるためには工夫が必要である。遠Aや遠距離からの3Aをうまく使おう。 レミリアは固め択が非常に豊富で強力なため、出来る限りクラッシュ技に頼らなくていい固め構成にしたい。 JA 空中にいる時の打撃。中段技で、誤ガードで霊力を1削る。JAA、J2A、J6A、J8A、射撃でキャンセル可能 。 空中射撃 空ダの後のつなぎや、ダッシュからの固めに使える この技をガードしたあとに暴れるキャラはほとんどいない。しっかり固めへと移ろう。 JAA JAから繋がる技。中段技で誤ガードで霊力を1削る。J2A、J6A、J8A、射撃でキャンセル可能 キャンセルは可能だが、高さの関係で対地で振るとJ6A、射撃以外では発生する前に着地キャンセルしてしまう。 硬直がないので着地から固め続行ができる。逃がさないように落ち着いて固めよう。 J2A 中央付近ならめくりが狙える凶悪技。中段技で誤ガで霊力を1削る。射撃でキャンセル可能 用途としては地上射撃→HJキャンセルJ2Aで、結界などの行動を狩れる。 このHJ2Aが結界ポイントだったが、着地硬直がついた為、D2Aも結界安定か。 もし結界されないようなら射撃につないでみよう。 ちなみに、D2Aはダッシュから最速で振ってしまうと、着地硬直の関係で正ガだとレミに微不利がつく。覚えておくように。 J6A 中段技の突進。誤ガで霊力を1削る。スキルでもキャンセル不可である。 バウンドしてしまう為に固め時に振ることはまずありえない。誤爆してしまったら諦めよう。 固め中は封印推奨である。 J8A 中段技で、誤ガで霊力を1削るが、地上の相手にはまずあたらない。射撃キャンセル可能。 使うとターン終了しやすい。固め中は封印推薦。 結界からかなりまずい状況になったりする。 射撃 基本中の基本だが、射撃は地上ならHJキャンセル、空中ならダッシュor飛翔キャンセルができる。スキルキャンセルは双方とも可能。 B 早い唐辛子を投げつける。全部ガードさせて霊力0,8~0,9(溜1,1~1,2)ほど削る。C射でキャンセル可能 削りは低くも高くもないが、なによりの欠点は相手のガード硬直が超短い。むっちゃ短い。 主に6A、J2Aなどのキャンセルに使われる。 打ったあとはHJキャンセル、空ダ、スキルキャンセルなどご自由に。 地上で撃った後はHJ2Aで結界やグレイズを狩りつつ固めを〆るのが主流か。増長するならばHJキャンセルしてJ2Cなどなど。 クロウがあればキャンセルして相手の行動を狩りつつ再度択をかけることが可能。 C 蝙蝠の形をした弾を投げつける。ガードで霊力を1(溜1,7?)削る。 固めの射撃はこちらがほとんどのメインとなるだろう。ガードさせるだけでそれなりの時間を稼げる J2Cが滞空するようになったことで、いろいろ使いやすい。唐突にジャンプしてJ2Cなどもなかなか強い。 Bと組み合わせる場合、J2B J2Cという連携がある。B射みてからグレイズされないようなら使っていこう。 発生は遅いのでC見てグレイズ余裕とされる場合がある。上のランクにいけばいくほど、これを知っている人には抜けられるだろう。しっかりクロウやHJ2Aなどで狩ること。 距離限定で5C HJ2Cが連続ガードになったりする。 j2Cからは66 jAで2結界を、2D 近Aで6結界を狩れる。また、4A×n(A、AAも同じ) 5Cはモーションが非常に見づらく、走られることは非常に少ないため、地上択から空中択への繋ぎに非常に有用。 スキル 各技の性能は当該項目を参照のこと。 ヴァンパイアクロウ あると固めがかなり強化される、反撃確定のない3段構成の打撃スキル。 いや反撃確定もあるにはあるが、スキルの項を参照してほしい。 最終段に中下段クラッシュがあるが、双方クラッシュとしての使い方をすることは少ない。 一段目は8Fほど不利。2段目は正ガで10F以上不利がつく。 固めを継続するつもりなら1段止めがいいだろう。狩りにいくならば3段目まで振りぬいてしまおう。 チェーンギャング 削りがものすごい。 増長択になってしまうが、C射をガードさせた後におもむろにおいておくといいかもしれない。 固め択というよりは、むしろ起き攻めから固めへ持って行く際のお供と言ったほうがいいかもしれない。 デーモンロードウォーク グレイズ狩りに使うが、使ったあとはもう固め終了なので使う時はよく考えよう。 むしろ反撃確定のことも。 ただし、グングニルがあれば連ガとなり固めの継続が可能 連続ガードになるタイミングでグングニルを使用できるようにしておこう。 デモンディナーズフォーク 霊力削りが1本0.25と少なく、起き攻め力も低下するため、このスキル単体ではあまり固めには使いづらい。 蒼天ではウォークやクロウの隙消しに使え、結界狩り構成から固めを継続できるため、固めの幅が大きく広がる。 密着からC Bフォーク ハートが連ガ、残り霊力1.5~3からビタ割で近Aが入る。 他の多くのスキルと同じくグングニルが連ガになるが、霊力削りはハートとあまり変わらない上にガ反で返されず、咲夜や萃香にも同じように使用できるためビタ割しやすく、場合によってはこちらのほうが使いやすいかもしれない。 シーリングフィア 誤ガでクラッシュ(追撃不可、879ダメージ)、正ガでも霊力を2削る。(Lv3以上では霊力削り1に減少) ラスト割りに使うとカリスマ。だが追撃不可。 プレッシャー与えるよ!割れるよ!だが追撃不可。 スティグマナイザー 中央でガードさせればそのまま壁まで持っていく上、霊力を1削る(Lv3以上で1,1) Ver1.10で固めには使いにくくなった。 バンパイアキス 発生30F程度の投げ技。 固めにおもむろにブッパなすと初見なら当たることが多い。 しかし、このスキルの存在を知っている人ならば見てからよけれるので多用するのはよくない。 DAA>キスは不意にやるとなかなかあたるとの情報も。 トリックスターデビル 中央でのめくり択。補正切りなんかに使われるのがver1.10になってからの流行り。 主な仕方は B射撃 トリック スペカ B射撃で起こしてめくり攻撃スペカという欲望剥き出し技。 表裏迫ると言いつつ実はトリック事態はHJされると当たらないので注意。 実質HJされる個所でトリックやっても華麗に空振りする。 HJされないように色々見せた後や、HJされなさそうなところで使う。 スペル 各技の詳細は当該項目を参照のこと。 ハートブレイク 霊力を2個削る。体力削り500。ちなみに割っても近A以外での追撃は不可。フォークから連ガになる。 hit数が1なので、残り霊力0~2でビタ割になり、近Aが入ればフルコンが確定する。ただし猶予は非常に短いため、全力で擦るかしっかり目押しをすること。 不夜城レッド 霊力を1,4削る。割っても追撃不可で安い。あまり使われないか。 ミゼラブルフェイト Ver1.10から画面端でしゃがまれても削りが落ちなくなった。 霊力を最大で4くらい削る。 体力削り800~2200 (距離や当たり方で変動) 1700~2200削ったあたりでクラッシュ(当たり方で変動) 密着から近A一発ガードさせた距離で最大ヒット。ただし近Aから出すと暗転見てHJ、ダッシュされる。 近A C ミゼラで4.5ほど霊力を削る連ガ構成。不都合がなければグングで連ガ構成のが実用的。 相手が空中でこちらの2Cをガードしたときに使うと誰でもほぼ確実に割れる。 しかし、2Cは相手が馬鹿でもない限り滅多にガードしてくれない。ゲージを持て余しがちになるので注意。 一応2Bや6Bをガードさせて高空に追いやってから使っても割れる。ただし、相手の霊力次第。 割れなくてもガードさせるだけで相当な体力を削る。それだけでも十分。 が、殆どの場合当てるチャンスはない。コンボにも使いづらいため上手く扱うのは非常に難しい。 スピア・ザ・グングニル 体力削り800弱(4HIT)~900強(5HIT)。霊力削り0.5*5(2.5)。 攻撃レベルが大以上の打撃からは連続ガード。ガードさせて大幅に有利。 主にウォークや6A、3A等の固め抜けポイントを潰しつつ使う事が多い。 ほとんどの地上固めルートから繋がり、1k弱の体力と2.5の霊力を削り、さらに超有利な状況で固めを継続できるという、名実ともにレミリアの固めの最強カード。 しかしながらガ反で返される。相手のカードをよく見て使用しよう。 また、咲夜と萃香はしゃがみでhit数が減少する。 最終段で結界可なので、相手の霊力を見てその後の固めを変えていきたい。たとえ割れなかったとしても体力削りが大きいため、使い方を誤らなければ確実に役目を果たしてくれる。 クロウ三段目Cから連ガ。誤ガならば生当て。 だがしかし相手がクロウ自体にヒットしていた場合はあたらない。南無。 スカーレットデビル 霊力を2削る。固めで使うならグングのが圧倒的に使いやすい。が、非常にカードがたまりやすいレミリアにおいて、このカードを固めに使用しないのは非常にもったいない。相手の霊力が残り1.5程度ならとっとと使ってしまおう。 相手の霊力の残りが2だと丁度割れるだけで削り分しかダメージが入らない、つまり止めにならない。しかも反確。 固めで使う場合は必ず2以下にすること。 相手の攻撃に合わせて確定入れを。カード持て余しに注意。 空固め 飛翔が特殊なため空固めしづらく、やってもほとんど霊力を削れない上に反確箇所が多い。 このため、相手が空中にいるととにかく分が悪いのがレミリア。 DA圏内なら一応やりようがある。 立ち回り考察のDA運送を参照。 空固めすると何がまずいのか 最後割る際にJAやJ8Aじゃないとリターンが望めない。 Bがカス当たりして終了しやすい。カス当たり 受け身 で継続しづらい。 飛翔やダッシュ特性から割る際にJA等に持っていけなかったり。 JA (JAA) B 飛翔orダッシュ JA・・・ ダッシュだと相手が高くなって殴れなくなる。飛翔だと硬直を相手JAで返り討ち等。中央だと通り抜ける等 J8Aで高度を上げる、継続を試みる →結界から反撃貰ったり、普通に抜けられてしまう。 相手のターンになりがちで霊球が減ってもそこまで圧力にならない。何より結界されて反確になりやすい。 相手の霊力が2以上あったら空固めは諦めたほうが無難と思われる。霊力が少ない時に狙う。 とは言え、慣れた人は霊力少ない時は空結界で割れるのを避けたりするので何とも言えない。 HJなしJAで落とす、距離とって設置技等。 例えば JA J8A J5C 9飛翔 JA J5C 66 J8A J5C で割れる ↑J8Aが結界ポイントでキャラによっちゃJAで反撃確定です。 上記事JA (JAA) B 飛翔orダッシュ JA・・・について。 相手の霊力が乏しければ JA始動でJA JB 66or7D JA JB 66or7D ...等とJAJBのみでくっついていくだけでも (したらばHard-Lunaスレにて実際運用してみた、あくまでも個人の経験上ですが)暴れられにくかったです。 ただし、↑連携中に空飛翔、空ダを二回出し切ると、割れてもシーリング・チェーン位でしか追撃できない上、抜けられた時に後ろ結界以外で距離を取れる択がないため厳しくなってしまいます。 一段空ダor飛翔を挟むだけで合計3近い霊力を削る連携なので、二段目の飛翔・ダッシュは退くために残しておくのが吉です。 JA後のJA二段目派生については、ディレイ付加でたま~に振るとJB読みの回避結界が狩れたりします。そういう意味で、JA後=JB連携と相手に刷り込ませるために基本JA JB連携を見せておくのは有効です。 ともあれ、割れなければ素直にいったん退く事。 空固めパーツ別の説明 •DA ガードで霊力を0,5削る。キャンセルはJAAもしくはそのまま着地などが一般的。 ガードさせてこちら有利なので、もう一度DAしたり、JAしたり自由にできます。 DA DAは基本的に増長なのでやりすぎると暴れられるので注意です。 •JA ガードで霊力を0,5削る。キャンセルはJAA、JB、JC、そのまま着地などが一般的。 DAよりも着地が遅いがDAより早く出せるので使い分けれると良いです(DAは最速で18F、JAは最速で15F)。 JAAで結界狩り、ディレイJAAでグレイズ、暴れ狩り、JCで削りといろいろできるのでうまく読みあいましょう。 •JAA ガードで霊力を0,5削る。キャンセルはJ8A、JB、JC、そのまま着地などが一般的。 DA、JAから派生の打撃択。ディレイJAAがうまく使えるととても強いです。 こちらもJAと同様にJ8Aが控えているのでいろいろできます。 •J8A ガードで霊力を0,5削る。キャンセルはJB、JC、そのまま着地などが一般的。 DA、JA、JAAから派生可能な打撃択。出してしまうと基本的に固め終了なので考えて振る必要があります。 •2A 空ガ不可の上段打撃。基本的に当てること前提なのでコンボへ行きましょう。 相手のJAによっては一方的に負けるので暴れ潰しを見せておく必要があります。 •2C ガードさせて霊力を1削る。キャンセルはHJしてJAなどが一般的。 暴れ潰し択。打撃とうまく対にしましょう。 •JB ガードさせて霊力を0,75削る。キャンセルは空ダ、JC、J2Cが一般的。 空ダや飛翔してJAはやりすぎると暴れられるので注意。JCはガード読みで削り、J2Cはグレイズ読みで隙消し択。 •JC ガードさせて霊力を1削る。キャンセルは空ダ、9飛翔が一般的。 おそらく空固めの主力射撃。うまく打撃を見せてガードさせましょう。 •J2C ガードさせて霊力を1削る。キャンセルは空ダ、飛翔が一般的。 基本的に隙消し択なので空ダなどで離れましょう。ガードしてくれればおいしいのでそのまま固めましょう。 連携例 8or9hj JA JAA J8A JAを空中ガードした相手にJ8Aまで振りきる連携。全部で霊力を1,5削る。 8or9hj JA ディレイJAA 着地 先ほどの連携のJ8Aを意識させてそのまま着地する連携。霊力を1削る。 単純だが非常にいやらしい連携で焦った相手が動くことがあります。 着地後は再度JAや空ガ不可の2Aなどできておいしいです。 8or9j JA 着地 HJの部分を普通のJにすることで狙える範囲は狭くなりますがわかりにくくした連携。霊力を0,5削る。 着地後は上の連携のようにいろいろできます。 8hj JA JAA 66 JA 着地 これは8HJ限定ですが打撃のみで霊力は削る連携。霊力を1,5削る。 端で8hjして上りJAAとすると空中で硬直が切れて空ダでき、再度JAをガードさせれます。 ただしJ8Aの択を意識させておかないと動かれるかも。 JA JC 9hs JA 端空固めの基本的な連携。霊力を2削る。 飛翔後のJAを出すタイミングをずらすことで非常にいやらしい固めができます。 飛翔後のJAをできるだけ低空で出し着地からの連携に繋げれると固めを続行できるので良いです。
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《フランドール・スカーレット》 No.505 Character <第七弾> GRAZE(3)/NODE(6)/COST(3) 種族:吸血鬼 貫通 (自動β): 〔あなた〕は〔このキャラクターカード〕をプレイする場合、〔あなたの場のキャラクター1枚〕を破棄しても良い。破棄した場合、ターン終了時までこのキャラクターカードは「速攻」を得る。 (自分ターン)(1): 目標の〔このキャラクター以外のあなたの場のカード1枚〕を破棄する。その後、ターン終了時まで〔このキャラクター〕は「戦闘修正:+1/+1」を得る。 攻撃力(6)/耐久力(5) 「なんかお呼びかしら?」 (PR.063:「あなたもしかして人間?人間って飲み物の形でしか見たこと無いの」) (SP-55:「私も人間と言うものが見たくなって、外に出ようとしたの」) Illustration:まき(PR.063:フカヒレ)(SP-55:gisyo) コメント 二度目の収録となるフランドール。 伝説を持っていないため、禁忌「レーヴァテイン」がセットできない。 (自動β)により速攻を得られる。 貫通持ちがアクティブ状態で出てくるのだから相手からすればたまったものではない。破棄コストに不要になった人形等を用いれば隙も少ない。 起動効果は1コストとカード1枚を使ってのパンプアップ。 一回使用するだけでも7/6貫通となるためアタッカーとして申し分なく、カードさえ並べられるならば高い打点を期待できるだろう。その点で物量展開するデッキとは相性が良い。 また、キャラクターに限れば、メディスン・メランコリー/7弾の常時効果と組み合わせると、フランを強化しながら、相手に2点ダメージを与えることが可能。 かつては、本能「イドの解放」の効果でコストを肩代わりできたため、幻想の四季や蝶符「バタフライストーム」などを使ったコンボでかなりのダメージを叩き出すことができた。 この効果で破棄するカードは自分自身以外なら何でも良いので、玉兎/5弾や花果子念報にセットされるカードならば手軽に効果を起動する事が出来る。特に、幻想「第一種永久機関」ならば、破棄したセットカードが再び幻想「第一種永久機関」にセットされるため、ノードが尽きるまで効果を使用出来る。 収録 第七弾 Tactical Starter(SP-55) プロモーションカード スペシャルカード 関連 「フランドール・スカーレット」 フランドール・スカーレット/1弾 フランドール・スカーレット/7弾 フランドール・スカーレット/11弾 フランドール・スカーレット/14弾 フランドール・スカーレット/17弾 フランドール・スカーレット/20弾 場で「フランドール・スカーレット」として扱われるカード 紅月の女王チーム フランドール・スカーレット(裏向きキャラクター) ふにゃん((自動α)) 術者が「フランドール・スカーレット」であるスペルカード 禁忌「レーヴァテイン」 禁忌「フォービドゥンフルーツ」 禁弾「カタディオプトリック」 QED「495年の波紋」 秘弾「そして誰もいなくなるか?」 禁忌「フォーオブアカインド」 禁弾「スターボウブレイク」 禁忌「恋の迷路」 禁忌「カゴメカゴメ」 禁忌「クランベリートラップ」 禁弾「過去を刻む時計」 「フランドール・スカーレット」を参照するカード 禁忌「フォーオブアカインド」
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外界篇 「○○ー、次はこっちー」 「はいはい、慌てないでくださいね、人が多いんですから」 ○○の腕を引くレミリアを、彼は優しくなだめた。 「あら、大丈夫よ、貴方が手を引いていてくれるんでしょ?」 「まあそうですけれど、それでも気をつけてくださいね」 そう微笑んで、彼は楽しそうな彼女に日傘を差し掛けた。 どちらかというと、腕を引かれているのは彼の方なのだけど。 八雲紫主催の神無月外界旅行。 暇を持て余していた紅魔館の主が食いつかないはずも無く。 一も二も無く、彼自身が直接八雲藍に申請書を手渡しに行くことになっていた。 『お前も大変だな』 『いえいえ、好きでやってますので』 という会話を交わしたことは内緒である。 「○○、あれは何?」 「ああ、冷やした鉄板の上でアイスを作ってるんですよ」 「……?」 「食べてみます?」 「ええ」 繁華街の中。騒がしい場所だが、遊ぶには事欠かない。 本来はもう少し静かな場所もあるのだけれど、それは夜に回すとしよう。 それに雨になれば動けなくなるのだから、天気の良い日には出来るだけ出歩くに限る。 いや、晴天も、決してレミリアと○○にとって『良い天気』とは言えないのだが。 「はい、どうぞ」 「ありがと、○○」 嬉しそうに受け取って、レミリアはアイスに口をつける。 外界に出るに当たり、彼が一番心配していたのは彼女の羽のことだったのだが。 『これが問題なら、霧化させておけば良いでしょう?』 そうこともなげに言い放ったので、彼の心配は杞憂に終わった。 少し不自然に二人の周囲が紅いのはどうしようもないけれど、人が気に止めるほどではないのは幸いであった。 その代わり。 「あら、どうしたの、さっきから周りばかり気にして」 「いえ、何も」 「変なの。一口食べる?」 「……ええ、いただきます」 レミリアが差し出すアイスに口をつけながら、彼は周囲の視線が痛いほどこちらに集中するのを感じていた。 常人離れした美少女とどこか冴えない青年の二人組の旅行者は、とにかく目立つのであった。 「帰ったらパチェに頼んで作ってもらおうかしら……」 「それもいいかもしれませんね」 言いつつも、○○は周囲が気になって仕方が無い。 「○○、どうかしたの?」 「いいえ、久しぶりだなあと思いまして」 そう応えつつ周りを見る。久しぶりなのは正しいが、本心はそうではない。 レミリアに好奇の視線を送る者達が気に入らないのだ。自身に対する妬みの視線は気にならないが。 いつもの服装ではなく、外に出る様に誂えた、淡い紅のワンピースにカーディガンを羽織った服装。 ごく普通の服装のはずなのだが、それでも彼女が着るとそれだけで映える。 初見のとき、思わず抱きしめそうになったことが記憶に新しい。気の利かない言葉で褒めることしか出来なかったが。 「そうね、懐かしい?」 「まあ、確かに懐かしくもありますが……」 こんなに街は騒がしかっただろうか。まだ離れてそう経ってないはずなのにそんなことも思ってしまう。 「じゃあ、いろいろ回りましょう?」 「え?」 「貴方が外でどういうものを見てきたのか知りたいわ。案内して頂戴」 「はい、喜んで」 指を絡めるように手を繋いできたレミリアに、少し照れながらも彼は頷いた。 外に出るのに許された期間はそう長くなく、また二人は天候にも左右される。 だからこそ、昼夜問わず様々な場所を巡った。 「○○、これはどうー?」 「いいんじゃないでしょうか?」 「もう、そればっかり……あ、こっちは?」 「ちょ、そっち下着ですから! 僕入れないですから!」 服を見に行ったり。 「ん、このケーキ美味しい……作り方わかる?」 「これですか? まあ、たぶん。そういう本も買って行って、咲夜さんに作ってもらいますか?」 「ええ、そうするわ」 喫茶店でお茶をしたり。 「意外と、静かね」 「ええ、まあ、人も若干いますが……この河原は、結構穴場なんですよ」 「渡れないけどね」 「まあそうですけど、でも、こうして静かに虫の声を聞くと言うのも、風流でしょう?」 「そうね……悪くは無いわ」 そう、二人で他愛も無い話をしたり―― 限られた時間のデートを、目一杯楽しんでいた。 だが、それでもたまには天候に祟られるわけで。 「雨ね……」 「ええ、今日は大人しくするしかないですね」 残念そうに外を見るレミリアの隣で、○○がポットを手にしていた。 宿泊先など諸々のことも紫の手配なので問題はほぼ無いが、天候だけはどうにもならない。 「ま、こちらに来てから動きっぱなしだし、たまにはいいかしら」 そう、いつものように羽を現して、レミリアが椅子に座った。彼はその前に紅茶のカップを置く。 「咲夜さんのようにうまくないですけれどね」 「精進なさい。貴方の味も嫌いじゃないけれどね」 雨音を聞きながら、静かにお茶の時間が過ぎて行く。 しばらくして、レミリアがふと口を開いた。 「ねえ、○○。貴方は後悔していない?」 「? 何をでしょうか?」 「何度目の問いになるか、もうわからないけれどね。吸血鬼になったことよ」 そう、カップを指先で弾く。安物だからか、あまり良い音は鳴らなかった。 「こちらに来て、貴方が喪ったものを見たわ。もう貴方はこちらには戻れないけど、でもだからこそ」 目を細めて、彼女はそっと告げる。 「心配になったのよ。貴方が全てを憂えないか。自分の運命を厭わないか。私に――」 そこまで言ったレミリアは、不意に正面から自分を包んできた腕を感じて、目を瞬かせた。 「○○?」 「僕は」 はっきりとした声で、彼は言葉を紡ぐ。 「貴女に逢えて、貴女の側に居られて、居続けさせてもらえて、とても幸せなんですよ」 顔を覗き込むように、優しい声色で。 「何度でもお答えします。僕は微塵も後悔していない。後悔しない。 人間を捨てたこと、貴女の側に在り続けること――これがもし、運命だというなら」 彼女にとって極上の微笑で、彼は告げた。 「僕もまたそれを望む。貴女と一緒に居られるなら、僕は何だって望む。嘘偽りなんてない、本当の気持ちです」 「○○……」 レミリアは○○の背中に手を回すと、強く抱きついた。 「ありがとう、○○。少し心配になったの。街を眺め続ける貴方を見て。懐かしいという言葉を聴いて」 生を無為に思ってしまうことほど、永遠を生きるものにとって恐ろしいものは無い。 自分自身にさえ意味を見出せなくなる――彼がそうなってしまうことが、レミリアには怖かった。 「お礼を言うのは、僕の方ですよ。そしてすみません。ご心配をおかけして」 言葉の後半が微妙に申し訳なさそうな響きを持つことに気が付いて顔を上げると、彼は何ともいえない表情をしていた。 問いただすレミリアに、彼はここ数日の、周囲からの好奇について白状した。 「気が付かなかったわ。でも、悪い気分じゃないわね」 「僕には不本意ですよ」 「ああ、そういうことじゃなくて。貴方がそういう思いを抱いてくれてた、ということが、よ」 その言葉に少し顔を紅くして、当然でしょう、という彼に、レミリアは満足気な想いを持つことが出来たのだった。 「何だか、眠くなってきたわ」 ほっとしたからだろうか、ここのところあまり寝ていないからか、軽く目をこすってレミリアは呟く。 「今日はすることももうないし、休むわね」 「ええ、では僕は――」 どうしていましょうか、という言葉は、不意に再び抱きついてきたレミリアの唇に塞がれた。 「貴方も一緒に寝るの」 「え……ええ?」 「貴方は私のものなんだもの。だから」 甘えるように彼の胸に擦り寄る。少し戸惑っていたらしい彼も、やがてそっと優しく抱き返してくれた。 この愛おしさが、何よりも一番大事なもので――この旅の一番の想い出となることを、二人は確信していた。 「咲夜にはこれ、パチェにはこれで、美鈴はこれ……ああ、フランには何にしようかしら、どれが気に入ってくれるかしら……」 「レミリアさん、決まりました?」 「もう少し待って。○○は?」 「大体は。霜月初めの宴会用のも買っておきましたよ」 「ん、ありがと」 応えながら、レミリアはまた土産物の物色にかかった。 旅行の最終日。もうすぐ紫が迎えに来る手筈になっている。 「んー……これがいいかしら」 ようやく決めてきたレミリアに微笑んで、彼は恭しく手を取った。 「それでは、これは僕から」 「え?」 可愛らしい紅色の縮緬作りの巾着を、そっと手に提げさせる。 「折角の旅行ですから、何か思い出の品などあった方が良いと思いまして」 「あ、えっと、うん、ありがと、○○。嬉しいわ」 照れたように微笑むレミリアに満足そうに頷いていると、後ろから声がかかった。 「あらあら、相変わらず熱いわね」 「紫さん」 「もう、少しは空気読んだらどうなの? あの龍宮の使いみたいに」 「それは失礼。でもそろそろ帰る時間よ」 紫は悪びれずにくすくすと笑うと、スキマを開いて二人に道を示した。 「ま、楽しかったわ。そろそろ館も放っておけないしね」 「ありがとうございました」 「いえいえ、来月初めの宴会、楽しみにしていてね」 言葉に少しの違和感を感じたが、それが何かわからないうちに、彼は再び尋ねられた。 「どうだった? 外界への里帰りは」 「そうですね、敢えて言うなら『故郷は遠くに在りて思うもの』でしょうか」 それに、と○○はレミリアに視線を向けて軽く笑む。 「僕の帰る故郷はもう幻想郷ですから」 「ふふ、まあいいわ、そういうことにしてあげる。幻想郷、の部分に別の地名が入りそうだけどね」 紫は再び笑って、さあ、と彼らを促した。 「ねえ、○○」 「はい」 前を行くレミリアが、不意に話しかけた。 「貴方の帰る場所は、私よ」 くるりと振り向いて、少し不満そうにしながらも、傲然と言い放つ。 「貴方の居る場所は私の傍。ずっと、ずっとよ。いいわね」 ああ、と彼は思う。なるほど、先ほどの会話の、帰るのが幻想郷というのが気に入らなかったのか、と。 そんな小さな我儘と嫉妬が嬉しくて、彼はレミリアの頬に手を伸ばした。 「はい、かしこまりました。僕はずっと、永遠に、貴女の傍に」 「よろしい」 微笑んだレミリアに、彼はそっと口唇を重ねた。 後日宴会の席で面々の旅行中のことが暴露され、照れと怒りでレミリアがまた暴れ、それを何とか彼が宥めるのだが―― それは別の、ちょっとした余談である。 新ろだ53 ─────────────────────────────────────────────────────────── 在るがままで居てくれればいい、とは思う。 そのまま、のんびりとしたままで居て欲しい、とは思う。 それは紛れもない本心。 それでも、種族的なもの等のしがらみがないわけではなく。 少しくらいは、と望むのは、贅沢ではないと、思いたい。 紅魔館のティールーム。何となく集まって何となく談笑する、いつもの光景。 「外の世界の本はどうなのかしら。最近紙が少なくなってきたって言うけど」 「紙の本もきちんとありますよ。ただ、そうですね、電子媒体も増えましたからねえ……」 とりとめない話をする中、唐突に扉が大きな音を立てて開いた。 「あら、フラン。いつも言ってるでしょう、ノックを――」 レミリアが言い終わる前に、入ってきた存在、フランドールは満面の笑みを浮かべて―― 「おにーさまーっ!」 「グッ……!?」 心底楽しそうな呼びかけと共に、○○の背中に突撃を敢行。 盛大な紅茶の霧が辺りに舞って、綺麗な虹を映し出した。 「ごほ、けほ、こほ……」 盛大に紅茶を噴き出した○○は、テーブルに伏せて背中を押さえている。 別に、驚いたわけではない。いやまあ、驚きも十分以上にあるのだが。 「……大丈夫?」 「せ、背骨がずれました……」 なってて良かった吸血鬼。いや本当に。 吸血鬼じゃなかったら、大怪我では済んでいないだろう。 「まあ、夜だしすぐに治るでしょう。ところで、今のは何? フラン」 「え? だって魔理沙が」 動揺しているのか、○○を放って尋ねたレミリアに、フランドールは大したことでもないように答える。 「『○○はレミリアの旦那なんだからお前のお義兄様だろ?』って」 「あの黒白ネズミ……」 「呼んだか?」 「居るのか!」 よっ、とばかりに現れた魔理沙に、反射的に突っ込む。 「あんたはフランに一体何を吹き込んでる……」 「あー? 私は別に嘘を教えたつもりはないぜ」 にやにやと笑いながら魔理沙は応じた。 「だってそうだろ? 何よりも大事にしてる奴なんだから」 「ちょっと待ちなさい、どうしてそういうことになってるのよ」 「みんな言ってるぜ?」 「勝手に決めるな」 言いつつ、レミリアはふいと顔を逸らす。照れ隠しであることを知ってる面々は敢えて何も言わない。 「お姉様、違うの?」 「違うわよ、まだ」 「まだ?」 にやにやしながら言葉の端をあげつらっていく魔理沙をきっと睨んで、レミリアは声を上げた。 「だ、第一、○○は全然力量が足りてないもの」 何か鉾先が向いたことを感じて、○○は顔を上げる。 「魔力も弱いし弾幕も撃てないし、半人前もいいとこよ」 「まあ、確かにそうですが……」 そこまできっぱり言われるとさすがにへこむものを感じるのか、彼は少し微苦笑する。 「なら、鍛えてあげればいいということになるわね、レミィ?」 それまで本に目を落としていたパチュリーが不意に声をかけた。 「ん……まあ、そう……なるかしら」 少し歯切れの悪い言葉に、魔理沙とフランドールが顔を見合わせる。 「それじゃあ、私達で鍛えてやればいいんだな」 「そーだねー。弾幕ごっこだね、○○!」 「え、あれ? 何でそういうことに?」 何だか話が妙な方向を向いたことを感じた○○は、驚いた声で二人を見る。 「だってそういうことだろ? 今の話」 「それに、○○も今は吸血鬼だもんね。弾幕勝負できるでしょ?」 「いや僕は……」 弾幕なんて撃てないのですが、と言う前に、ふむ、とレミリアの声がした。 「ま、鍛えるのには丁度良いかもしれないわね。咲夜、貴女も手伝いなさい」 「かしこまりました、お嬢様」 「魔力の素地も才能もないけれど、まあ努力の価値はあるかもしれないしね」 パチュリーが何気に酷いことを言った。あの、とおずおずと彼は手を上げる。 「……僕、弾幕撃てないのですが? というかそもそも飛ぶのも……」 その言葉に、吸血鬼と魔女の親友コンビは顔を見合わせて頷き、素敵な笑顔を向け――。 「ねえ、○○」 「気合避け、って素敵な言葉よね」 ――大変御無体な言葉を彼に放った。 「…………それは」 「さ、○○、始めようか」 楽しそうな声で、魔理沙が○○の肩に手を置く。 「……御手柔らかに、願います」 「安心しろ、最初から全力だ」 「あー! 魔理沙、私からだよー!」 既に部屋の外――ホールの方に向かっていたフランドールの、嬉々とした声が聞こえてくる。 紅魔狂の始まりを確信して、○○は大きく息をついた。今日一日、自分は無事に過ごせるだろうか。 明け方、ベッドの上で、仰向けになって青年が呻いている。 「……トラウマになりそうだ……」 「大丈夫?」 少し心配気に覗きこむレミリアに、彼は僅かに苦笑して頷いた。 「遠くで見ている分は綺麗なんですけど」 「あら、弾幕る方も楽しいわよ?」 ぱたぱたと羽をはためかせ、レミリアは○○の胸の上に顎を乗せて楽しそうに微笑む。 「まあ、すぐに無理は言わないわ」 「そうしていただけるとありがたいです。何せまだ」 「ええ、わかってるわ」 レミリアは体勢を変えると、○○の枕元まで来て彼の頭を膝の上に乗せた。 「……これは、何かのご褒美ですか?」 「そうね、初日にしては頑張ったし」 ○○の頬に手を当てながら、レミリアは、でも、と言葉を繋ぐ。 「少しは頑張って欲しいというのも本当よ。この私の血を受けた眷属だと言うのに、ここまで力量がないと威厳に関わる」 「承知しているつもりです」 「一朝一夕に、なんて無茶は言わないわ。貴方はまだ人間に近しいし。でも、いつか」 そう、いつか。たとえ十年掛かろうが百年掛かろうが。 「いつかは、私の隣に堂々と並べるくらいになってくれるわよね?」 「努力します。僕も、そうなりたいですし」 「待ってるわ。気長にね」 それはきっと、退屈しのぎにもなるだろう。この永き生の、ちょっとした慰みにくらいには。 日付が少し経過して、黒白の魔法使いが再び紅魔館を訪れていた。 「よ、メイド長」 「魔理沙また来たの……って、珍しい、今日は正面からなのね」 「ああ、今日は正式な客だぜ? パチュリーの」 「まあそれなら。でも今ホールは危険よ?」 咲夜の言葉に、魔理沙が首を傾げる。 「どうしたんだ? 妹君がご機嫌斜めか? それともパチュリーの実験か?」 「それだったらまだマシな方ですわ」 瀟洒な従者は苦笑を微笑みに隠して、魔理沙を案内する。 「おお、何か凄い音してるな」 「よりにもよってこんなときに真正面からなんて、貴女もタイミングが悪いと言うか何と言うか」 ホールの方向から派手な音が響いていた。時折声も聞こえるが、何を言っているのかはわからない。 「わざわざ他のメイド達が入れないように空間も遮断してたって言うのに」 「あ、だから今も広さが違うのか。というか何があったんだ?」 魔理沙の問いには直接答えず、咲夜はホールを示した。そこでは―― 「こら、○○! これくらい避けれるでしょう!?」 「無理! 無理ですって!」 ――Lunatic並みの弾幕が飛び交っていた。 ただでさえ紅いホールが、レミリアの弾幕でさらに紅く染まっている。 「おー、派手にやってるじゃないか」 「もうこの四半刻ほどずっとこうなのよ」 「頑張るなー」 魔理沙もたまに○○の弾幕訓練(決して勝負ではない)に付き合っていたので、現状は飲み込めたようだった。 「でも何でまたお嬢様はご機嫌斜めなんだ?」 レミリアの機嫌が悪くて、それに○○がつき合わされているのも理解できる。できるのだが。 「まあ、元々の原因は○○さんよ。現在の発端は私だけど」 「何したメイド長」 「少し唆しただけよ」 何事もないかのように言いきって、咲夜は微笑して呆れた様なため息を漏らした。 その間も、激しい弾幕は続いている。 「獄符「千本の針の山」!」 「それ死んじゃいますから!」 「吸血鬼でしょ! 大丈夫よ!」 ○○に欠片も余裕が無いのが見て取れる。そもそも飛ぶのすら上手く出来ない青年だ。 「あ、被弾ー」 「何度目かしら」 「前も思ったがタフだなー」 それをのんびりと眺めやる少女二人。 「でも正直よくかわしてるわ」 「そうだな、最初とはえらい違い……というか、原因は何なんだ? あの痴話喧嘩の」 「実は全部つながるんだけどね」 咲夜が再び微苦笑した時、弾幕勝負に変化が生じた。 「…………」 「どうしたの○○! 行くわよ!」 紅蝙蝠「ヴァンピリッシュナイト」。蝙蝠が音を立てて飛び回り、ナイフ弾を形成して行く。 「……もしか、して」 ナイフが額を掠めたことにも構わず、○○はレミリアに向かって突っ込んでいった。 「え、ちょっと!?」 蝙蝠とナイフ弾をグレイズしながら一目散に近付いて、彼は囁くような声で言う。 「怒っておられますか」 「……今更、気が付いたの?」 「ええ、今更です、でも」 口ごもって、それでも彼はレミリアを真っ直ぐに見て、その腕を掴む。 「……接触は被弾扱いのはずだけど」 「それでも構いません」 そして、少しだけ唸ると、大きく息をついてすまなそうに言った。 「ごめんなさい。何が悪かったのか、今でもわからない」 「そこまでは気がつかなかったのね」 「すみません」 「…………最近」 弾幕を止め、蝙蝠を身に返しながら、レミリアが呟いた。 「最近、フランやパチェと弾幕勝負してばかりじゃない」 「ああ、ええ、訓練にと」 「だから! ……あまり、構ってもらえてない、私は」 拗ねたような口調で、レミリアは○○から顔を逸らす。 がつんと殴られたような表情になった後、彼はレミリアを引き寄せた。レミリアも抵抗せず、腕の中に収まる。 「すみません、本当に」 「全くね。主を放っておくなんて」 拗ねたような言葉には、それでも不安が滲み出ていて。 「……寂しかったですか」 「…………」 沈黙は雄弁だった。擦り寄るように頬を彼の胸に当ててくる。それだけで十分すぎた。 「すみません」 「謝れば、いいってものじゃないわ……」 「それでも、です。ごめんなさい、やはり僕は、焦っていたのかも」 ○○はゆっくりと言って、レミリアの顔を覗きこんだ。 「早く貴女に認められたくて、それで」 「……それで私を蔑ろにしてちゃ駄目じゃない……」 「ええ、そうなのですけれど、でも」 それでも。その言葉の先をわかったかのように、レミリアは切なげに彼を見つめた。 力のない、人間とあまり変わらない吸血鬼。愛しい者の傍にいるためだけの。 だからこそ、せめて隣に並び立てないまでも、認められるくらいに。 「……馬鹿ね、言ったでしょう? 慌てなくて良いと。何十年をかけても良いと」 「……はい」 「大丈夫、私は愛想を尽かしたりなんかしないから」 逆に抱きしめられて、○○は低く何事か唸って頷いた。 「ゆっくりでいいの。貴方が吸血鬼らしくなるのにも」 「はい……ありがとう、ございます」 「でも」 身体を離して顔を見上げて、レミリアは軽く微笑して言い放った。 「それとこれとは別の話。私を蔑ろにしてた分は、どう補ってくれるのかしら?」 「あー、えーと」 ○○は一瞬迷って、レミリアの頬に手を添えた。 「これで、如何でしょう?」 「ん、まずは及第、ね」 優しい口付けを受け入れるようにしながら、レミリアは満足気に微笑んだ。 「……御馳走様」 「あら、もういいの?」 目の前でキスシーンを見せ付けられて、魔理沙がなんとも言えない表情で呟く。 「よくお前らあれに耐えられるな……」 「あら、まだマシな方よ?」 「普段がどうなのか、考えないようにしておくぜ。で、発端は?」 「今語ってた通りよ」 「それはわかったんだが、咲夜がけしかけたとかいう」 「ああ、お嬢様が最近寂しそうだったから、それとなく○○さんに伝えたんだけど」 そこまで言われて、魔理沙は一つ息をついた。 「わかった。あいつ、何か惚けたこと訊いたんだな。変に鈍いから」 「ご名答」 「よくお前が怒らなかったなあ」 「まあ、じゃれあいみたいなものだからね」 そんなもんか、と頷いてホールを見上げて、まだいちゃついている二人に魔理沙は軽く呆れた。 「というか、私達が居ること気が付いてないだろあれ」 「居ても気にしていない、の方が正しいと思うわ」 慣れきった様子の咲夜に首を振り、魔理沙は軽く呻いて図書館に足を向けた。 「あー、甘い甘い。メイド長、私の分の紅茶には砂糖はいいや。先に行ってるー」 「はいはい」 図々しい注文に苦笑して、咲夜もその場から消えた。 「ん……先に行ったみたいね」 「え、ああ、魔理沙さんと咲夜さんですか?」 「パチェが呼んだって言ってたから。何かあったのかな」 彼の腕の中で小首を傾げ、そして柔らかに微笑む。 「さ、私達も行きましょう。咲夜の紅茶で一休みとしましょ」 「ええ」 するりと抜け出して、彼の腕を引く。機嫌はもうすっかり直っていた。 「今日の紅茶は何でしょうかね」 「さあ、苦くないと良いのだけど……まあ、でも」 いきなり彼を引き寄せて、レミリアはその口唇を塞ぐ。 「こちらの方が甘いから、多少苦くてもいいけどね」 「……はい」 不意打ちに照れる彼を満足気に見て、微かに自分の顔も紅くなっているのを誤魔化すように、行くわよ、とレミリアは促した。 この後の図書館で、彼の膝の上に座って上機嫌のレミリアに、魔理沙は何とも形容し難い表情を向けることとなるのだが―― どうしたの、とあっさりレミリアに涼しい顔で受け流され、濃い目の紅茶をお代わりする破目になったのだった。 後に曰く、『紅魔館の菓子が糖分控えめになった理由がわかった』ということだが、これはまあ、ちょっとした余談である。 新ろだ99 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「Trick or Treat!」 楽しげな声が、調理場に飛び込んできた。 「妹様、お菓子はまだですよ」 「あら、咲夜はTrickの方が良いの?」 ふふ、と無邪気に笑いながら、咲夜の周囲をフランドールがくるくると回る。 「こらフラン、あんまり咲夜を困らせないの」 後ろから入ってきたのは、館の主、レミリア・スカーレット。 「お嬢様。お菓子はもう少しですわ。パーティには十分間に合いますので」 「ええ、大丈夫。つまみ食いなんてしないから」 そう言いつつ、レミリアは楽しそうに調理場の中に視線を巡らせた。 目当ての存在を見つけたのか、その紅い瞳が輝く。だが、すぐにそちらには向かわず、咲夜に声をかける。 「量は十分?」 「はい。妖精メイドも導入しましたし、今年は何より」 咲夜はその意を汲んだのか、奥のほうで作業していた青年の方に注意を向ける。 「お菓子作りが趣味って言ってたものね」 レミリアも満足そうな、だがどこか甘みを含んだ声で頷いた。 その言葉が交わされた辺りで、ボールの中のクリームを確かめていた彼が近付いてきた。 「んー、こんなもんかなあ……ああ、レミリアさん、フランさん、どうも」 「○○、○○、まだ出来ないの?」 フランドールの言葉に微笑んで、○○は頷く。 「もう少しですから、待っててくださいね」 「もう、咲夜も○○もそればっかり……」 拗ねるフランドールの格好と、隣で笑っているレミリアの格好を改めて見て、彼は少し言葉を失った。 ――――どうして猫耳と尻尾が付いているのでしょうか。 心の中だけの疑問は、あっさり解消された。 「ああ、この耳? いつもと趣向を変えてみてね、ワータイガーなのよ」 「……ワータイガー?」 「人虎だよ、○○知らないの?」 「いやまあ、言われたらわかりますが」 二人がつけていると、トラ猫の耳をつけているように見えるのだけれども。 言葉にはせず、○○は咲夜に視線を送った。 「いいですかね、一枚くらいなら」 「その辺りは全部○○さん任せだから、足りるなら良いわよ」 「では」 ○○は調理台の上からクッキーを二枚つまむと、二人の前に立った。 「それでは、悪戯されないうちにお二人に先に一枚ずつ」 「いいの!?」 頷かれて、フランドールは嬉しそうにクッキーに口を付けた。 「いいのかしら?」 「量は大丈夫ですから。折角来ていただいたのに、手ぶらでは申し訳ないですし……今日はハロウィンですから」 微笑みが心持ち柔らかくなって、レミリアは少し満足したような声を上げる。 「では、いただくわ」 サク、と小気味よい音を立てて、レミリアもクッキーを口にする。 柔らかな甘味が口の中に広がって、彼女は感嘆の息をついた。 「美味しいわ、○○」 「ありかとうございます」 レミリアに恭しく礼をしたところで、フランドールが話しかけてくる。 「○○、もっと頂戴?」 「今は我慢です。後でたくさん持って行きますからね」 「はーい」 声は渋々だが、表情は明るい。余程気に入ったらしいことが周囲にもわかって誰知らずほっとする。 「そうだ、準備を急ぎなさい」 「ですが、まだお時間はあるはずですけれども」 咲夜が首を傾げると、レミリアは楽しそうに笑みを浮かべた。 「貴女達も仮装するの。そこの妖精メイド達もね。さっさと終わらせてしまいなさい」 急に声をかけられて、妖精メイド達があわあわしはじめる。直に声をかけられるのはやはり怖いらしい。 「では、一度この場は僕が持ちましょう。出来た分を運ぶ等は咲夜さんに監督してもらって。よろしいですか?」 「ん、そうね……それがいいかもね」 咲夜は何気なく視線を巡らせて一つ頷く。 「それでは、お嬢様、失礼致します」 「ええ、よろしくね、咲夜」 「私もついてくー」 フランドールが咲夜に着いていき、びくびくしながらも妖精メイド達も台車を運んでいく。 それを見送りながら、二人きりになった調理場で○○は仕上げに掛かった。それを、興味深そうにレミリアが覗きこむ。 「難しそうね」 「意外と、覚えてしまうと簡単ですよ。楽しいですし」 てきぱきと出来上がった菓子を並べ、○○は、そうだ、と頷く。 「もう一つ、味見をお願いして良いですか? さっき作ってたクリームなんですけれど」 「ええ」 嬉しそうに頷いたレミリアは、○○が自分でも味見をしようと指先に取っていたクリームを、指ごと口に含んだ。 「んー……ちょっと甘めね」 「………………まあ、スポンジがそう甘くないので、その釣り合いを取るために、ですね」 彼が微妙に照れたような表情をしたのを楽しげに見て取り、レミリアは言葉を続けた。 「でも、それ以上に美味しいわ。パーティが楽しみね」 「ええ……ところで」 「ん?」 「僕も、何かするんでしょうか」 「当たり前でしょう? 今日はハロウィンだもの」 楽しそうに言った主に、彼は心の中だけで両手を挙げた。 方々から人を呼び寄せたハロウィンパーティは、つつがなく始まった。 仮装している者も多く、見ているだけでも十二分に楽しめる。 「よ、○○。何だ、お前も仮装か?」 「向こうで犬になってる咲夜と猫になってるパチュリーがいたけれど、今年の紅魔館はそういう趣向なの?」 「魔理沙さん、霊夢さん、いらっしゃいませ。そういうわけじゃなかったはずなんですが……」 そういう彼の頭にも、犬科の耳が生えている。どちらかというと、狼のそれに近く見える。 「尻尾まで生えてるのか。狼男か?」 「らしい、です。気が付いたらパチュリーさんに魔法かけられてました」 困ったように微笑んで、彼は、どうぞ、と二人の客をテーブルに案内する。 「あら、いらっしゃい、霊夢、魔理沙」 「いらっしゃーい」 吸血鬼姉妹が巫女と魔法使いの姿を認め、各々の方法で近付いてくる。 つまり、レミリアは悠然と、フランドールは魔理沙に飛びつくように。 「邪魔してるぜ。あー……お前らもか」 「それ何? トラ猫?」 「人虎よ」 不満そうにレミリアが答えるが、猫に見えるのも仕方がない気はする。 「何でまた。吸血鬼といえば人狼だろうに」 「普通すぎるじゃない」 「ならどうして僕は狼に」 「貴方は初めてでしょう? 基本も大事よ」 楽しそうに言うレミリアの背後で、虎模様の尻尾が動いている。 全部パチュリー手製の魔法だと言うから驚きと言うか何と言うか。彼女もこのパーティを楽しみにしたのは間違いないようだ。 「ああ、わかった。レミリアの我儘に結局振り回されたってことね」 「霊夢、その言い方はあんまりじゃない?」 抗議するレミリアと涼しげな表情の霊夢のじゃれ合うような会話に少し微笑んで、彼は何ともなしに答える。 「僕も楽しんでますからね」 「言うようになったわね、本当に」 やれやれ、と苦笑して、霊夢は近くのテーブルの皿に手を伸ばした。綺麗に切り分けられたケーキが乗っていた。 パーティも盛り上がってきた頃、ふと気配を感じて、料理を運んでいた彼は顔を上げた。 「ああ、どうも、紫さん」 「ええ、お邪魔してるわ」 隙間から出てきてそれに腰掛ける。○○は料理を手近のテーブルに置いて切り分け、紫に渡した。 「あら、ありがと」 「いえいえ」 「それにしても、紅魔館は楽しそうねえ、今回のハロウィン」 「みんな態と揃えたのかも知れないですが、確かに」 「貴方も楽しそうね」 「ええ」 笑顔で答えた彼に、紫もまた楽しげに頷く。真意は読み取れないが、楽しんでくれていれば良い、と彼は胸中で頷いた。 「○○、こんなところにいたの」 「レミリアさん」 「お邪魔してるわ、お招きありがとう」 「ええ、楽しんでくれていれば重畳よ」 軽く応じるレミリアに、紫がくすくすと微笑いながら尋ねる。 「みんなで揃えたの、それは?」 「そういうわけじゃないけど、いつの間にかね。何なら、貴女もする?」 「いいわ、うちはもう二匹も居て間に合ってるから」 微笑みながら言って、紫は○○に目を向けた。 「ああ、いいわよ、私の相手してなくても。貴方の愛しい主のところに居てあげなさいな」 「え、と、はい」 「……何故みんな勝手なことばかり言うんだ」 同時に真っ赤になる程照れたレミリアと○○を見て満足したように紫は笑った。 おそらく二人は気が付いていないに違いない。それぞれの感情が、その魔法でつけている耳と尻尾に如実に表れていることなど。 「私はもう行く。○○、来なさい」 「はい。では、失礼します」 「ええ、また」 ひらひらと手を振る紫を後に残して、○○はレミリアの隣に並ぶ。 その彼を見上げるようにして、彼女が尋ねた。 「○○、この後に用は?」 「いえ、特には」 「では、私に付き合いなさい。主人を一人にするものではないわ」 「はい。気が利かずすみません」 「わかればいいのよ」 虎模様の尻尾が機嫌よさそうに軽く揺れて、レミリアは○○の腕を取った。 さっと顔を紅くした○○を見てまた微笑うと、さあ、行きましょう、と彼女は告げた。 パーティは盛況の内に幕を閉じた。 終わっても、すぐに帰っていく者、しばらく談笑する者、酔い潰れて館で介抱される者など行動は様々だ。 紅魔館側も、帰る者にはお土産としてケーキを切り分けてラッピングしたものを渡したりと、いつものパーティとは少し違う様相を見せた。 そして今ホールには、語り合う者と片付ける者だけが残っていた。 館の主とその妹は終わって早々に部屋に戻っている。特にフランドールは楽しかったのか、終わる頃には既に眠そうにしていた。 そして、○○もまた、片付けの一員として働いている。 そのパーティの片付けも終わる頃、何となしに○○は気が付いた。 「……あれ、みなさん魔法解いてます?」 「ええ、片付けには邪魔になるもの」 「割合簡単に解けるわよ。そんなに複雑なものではないし」 残っていた面子との会話が終わって戻ってきたパチュリーが説明する。 だが、無茶を言わないで欲しい、と彼は思う。魔法なんて元々縁が無かったのだ、簡単に解けると言われて解けるはずが無い。 「……どうするんですか、これ?」 「えーと、説明が難しいわね……」 咲夜が苦笑する。ということは、何の苦もなく解ける魔法と言うことか。説明が要らないくらい。少し落ち込む。 「まあ、一日くらいで解けるから、そんなに気にしなくてもいいでしょ」 「……僕寝るときもこのままですか」 「いいんじゃない? レミィもまだそれで遊んでみたかったみたいだし」 そう、パチュリーは○○の尻尾を差す。心なしかしゅんとなっているのは、彼の気落ちを表しているのだろう。 「何だかそれは非常に複雑ですが」 「それなら、○○さんはもう上がって。お嬢様はもう部屋に戻られてるし」 「ですが」 「お嬢様の機嫌を損ねるつもり?」 う、と詰まって、わかりました、と彼は頷いた。 しかし、言葉とは裏腹に、その尻尾は嬉しそうにパタパタと動いている。 それを少しだけ眺めて、パチュリーが咲夜に声をかけた。 「では私も図書館に戻るわ。咲夜、後で紅茶を頂戴」 「かしこまりました、パチュリー様」 「では、お先に失礼します」 それぞれの方向に歩きながら、さてどうしたものか、と○○は考え始めた。 部屋で寛いでいたレミリアの耳に、扉を叩く音が届く。誰何するまでもない。 「入って良いわよ、○○」 声に応じるように扉が開き、○○が姿を現した。レミリアが座っている椅子の所まで真っ直ぐ近付いてくる。 「お疲れ様」 「ええ、お疲れ様です」 汗を流して着替えてきたらしく、微かに石鹸の香りがする――ふさふさの尻尾からも。 「それまだ解いてないの?」 「解けないんですよ」 憮然となった彼に笑って、レミリアは○○にも椅子に座るよう促した。 「楽しかったわ、今日は」 「ええ」 「フランもはしゃぎ疲れて、今日はすぐ寝ちゃったしね」 それは良かった、と彼も微笑んだ。レミリアもワインを薦めながら、今日の事を語り合う。 パタパタパタパタ、と○○の後ろで尻尾が揺れるのを眺めて、レミリアは何となく楽しくなった。 酒にあまり強くないことも知っているが、これくらいでは酔い潰れないだろう。 それに何より、彼の気分や機嫌が耳と尻尾でわかるのが楽しい。またパチェにかけてもらおうかな、と考えた。 「ふかふかね」 「んー、風呂上りですし」 ほむほむ、とレミリアが○○の耳に手を伸ばし、満足そうに頷く。 この分だと、尻尾もかなり気持ち良いのではないだろうか。そんなことも思う。 そんなことをしているうち、寝酒にしていたハーフボトルも空になった。 「そろそろ休みましょうか」 「はい、でも、その前に」 椅子からベッドに座る先を代えたレミリアの隣に腰掛けて、○○はレミリアの方を向く。 「? 何?」 「ええ――Trick or Treat?」 唐突な言葉が何なのかわかるまで、少しの時間を有した。 「え、ええ?」 「甘い物、欲しいなと」 そう言った彼の視線が一瞬サイドボードに流れる。そこにはラッピングしたクッキーの袋。 「あんまり食べてないので。作るだけ作って」 「そういえばそうね……」 レミリアはそう言ってクッキーの包みを開き、一枚取り出して彼に渡そうとする。 「ああ、いえ、そうでなくて」 「? ……!」 ○○はレミリアの手にあるクッキーを取上げると彼女に咥えさせた。 驚く暇もあればこそ。○○は、その反対側からクッキーを食べ始める。 反応できずに止まっているレミリアに構わず平らげ、彼女の口唇をぺろりと舐めた。 「御馳走様」 「……いきなりじゃなくて、せめて何か言ってからにしなさい……」 顔を紅くして逸らしてレミリアの目に、○○の狼の尻尾が千切れんばかりに振られているのが見えた。 表情はいつもと同じ微笑みだが、相当上機嫌らしい。本当に感情をよく出すものだ。 「……まだ、要る?」 「出来れば」 本当に機嫌の良いらしい彼に、もう一度クッキーを与える。今度の口付けは、少しだけ長かった。 「……ん、甘党、だったかしら」 「ええ、かなりの。でも、まだ欲しいな、と思います」 気が付けば、彼の腕の中で抱きかかえられたような状態になってしまっている。 でもそれに反発しようなんて想いは湧かなくて。 「自分で作り始めて、それに凝ってしまうくらいの甘党ですから。でも、今は」 「あ……」 今度はキスだけが下りてきて、レミリアは目を閉じた。 「……もっと、好きなものがありますけれど」 その笑顔は、レミリアにとっては反則すぎて。 「……ずるいわ」 「ですか?」 「ええ、ずるい……」 今度はレミリアから頬を寄せて、そっと口付ける。長めの口付けの後、囁くように○○に尋ねた。 「……もっと、欲しい?」 「はい」 「いいわ、あげる――」 もう一度口付けて、優しく抱きよせられるのを感じて、レミリアもまた、○○の首に腕を回した。 甘い宴は、まだ終わりそうに無い。 後日、耳尻尾付きだと反応わかりやすいから、もう一度付けてみるか、とパチュリーが冗談でレミリアに提案するのだが。 「……え?」 「だから、結構面白かったでしょう? 咲夜もそうだったけど、○○さんも――」 言いかけたパチュリーの言葉を遮って、レミリアが声を上げた。 「駄目、絶対に駄目!」 大きく羽をバタバタさせて、顔を真っ赤に染めて慌てる親友に、パチュリーもそれ以上は突っ込まなかった。 ただ、少しだけ好奇心は湧いたので、咲夜と小悪魔を使って○○に尋ねさせてみたのだが。 「すみません、ノーコメントで」 と、こちらも紅くなって応えたので、それ以上の追求は出来なかった。 かくしてあの夜に何があったのかは――二人だけが知る秘密となったのであった。 新ろだ114 ─────────────────────────────────────────────────────────── その日は、起きた時から変だった。 何がおかしいのかはすぐにわかった。 愛しい人に、出逢ってない。 どこかに隠れたように、逢えていない。 「うーん……?」 首を捻りながら、○○は紅魔館の中を歩いていた。 辿り着いた先のティールームを、ノックの後に開けて失望のため息をつく。 「どこに行ってるんだろう……? 神社に行ったりしてるのかな……」 小柄な彼の愛しい主の姿がそこにないことをもう一度確認して、ぽつりと呟いた。 そう、今日目覚めてから、彼はレミリアの姿を見ていないのであった。 「咲夜さん、すみません」 「あら、どうしたの? 今日は里に出ない日だったとは思うけど」 「ええ。ああ、お仕事中すみません、少しお聞きしたいことが」 掃除中らしい咲夜に、謝りつつ声をかける。 「あら、何?」 「レミリアさん、お見かけしませんでしたか?」 ○○の問いに、咲夜は目を瞬かせる。 「起きてすぐ、紅茶を召し上がられていたけれど……それからも、何度かお会いしているわ」 「んー、では、館の中にはいるんですよね……うーん」 「会ってないの?」 意外そうな瞳に、こくこくと頷く。 避けられてるんだろうか、いやそんなことはない、と信じたい。だがもしかすると何か気に障ることでもしたのか。 「もう少し探してみます……ありがとうございます」 一礼して背を向けた○○に、咲夜は一瞬何かに気が付いたような顔をして、ふっと微笑んだ。 「○○さん、意外と近くにいらっしゃるかもしれないわよ」 「え?」 「私からのヒント。頑張ってね」 咲夜はそれだけ言うと、次の仕事のためか姿を消した。 次に赴いたのは、図書館。 「見てないわよ、ここには来てないわ」 パチュリーの言葉に、そうですか、と○○は肩を落とした。 「んー、目ぼしいところはいろいろ見てきてるはずなんですけどね」 「盛大な隠れ鬼でもやってるのかしら?」 「そんなはずでは……いや、そうなのかもしれないのですけど」 がくりと机に突っ伏す○○に、パチュリーは首を傾げる。 「レミィのことだから、どこかで見てそうな気もするけどねえ……」 「うーん、僕が右往左往している様子をですか?」 「ええ。まあ、気長に探すといいかもね。そのうち向こうから痺れを切らして出てくるかもしれないし」 その言葉はレミリアの性格を知るが故だろうか。 「まあ、そうかも知れないですけど……」 「早く逢いたい、というところかしら」 パチュリーの静かなからかいに、彼は顔を紅くして、ええ、まあ、と応える。 「と、とにかく、見かけたら教えていただけますか」 「ええ、いいわ。頑張ってね」 「はい」 軽く会釈して踵を返した○○に、パチュリーは本から顔を上げて、軽く息をついた。 「そうね、あえて言うなら」 「はい?」 「灯台下暗し、というところかしら」 それだけを言ってまた視線を本に戻したパチュリーに、彼は首を傾げて図書館を後にした。 それから、○○は紅魔館のあちこちを歩き回った。 中庭で美鈴にも声をかけたが、見ていないと言う返事と、不思議そうな表情を返されてしまった。 「あー、まあ、見つかってないんですね」 「ええ。近くに居るかも、とはみなさんに言われるんですけどね」 「……そうですね、私もそう思います」 何となく納得した顔で、美鈴はそう答えた。 「まあ、頑張ってください。お嬢様も早く見つけて欲しいでしょうから」 「はい、頑張ります」 では、と館に戻っていく彼を見送りつつ、ふーむ、と美鈴は唸る。 「見つかるかなあ、あれ」 とりあえず見えなくなるまで帽子をクルクルと回しながら眺めて、さて、と呟く。 「仲良きことは良き事かな――私も仕事に戻りますか」 そして、彼女はいつもどおりの仕事に戻っていった。 結局見つからないまま、時間は過ぎる。○○は所在無げに、自室に戻っていた。 ドアは開け放ったままである。もしかすると、部屋の前でも通るかもしれない、思ってのことだった。 「灯台下暗し、って言われたけどなあ……」 いない、と呟いて、自室のベッドに腰掛ける。 最近はレミリアの部屋で休むことが多くなって、部屋を使う頻度も減ったことにふと気が付いた。 そんなに近くに居る人に、今日は逢っていない。逢えていない。 心の中に焦燥とか、苦しさとか、そういうものが湧き上がってくる。 「ああ、駄目だなあ……僕は、もう」 レミリアさん無しにはいられないんだな、と呟く。 呟いて認めたら、少し元気が出てきた。 また探そう。 パチュリーさんも言ってたじゃないか、大掛かりな隠れ鬼だって。 よし、と気合を入れる前に、少しだけ伸びをしようと、ベッドに背中を預けるように仰向けになって―― ぴぎゅ。 変な音が背中からして、慌てて彼は起き上がった。 「……こう、もり?」 彼に潰されて、目を回しているのは一匹の蝙蝠。 それを掌の上に乗せると、ばさばさと部屋の外からも音が響いてきた。 手の中に居た蝙蝠も一緒に集まって、一人の姿を形づくる。 形づくられると共に、部屋が静かになった。 「○○、酷いじゃない! 潰さないでよ!」 訂正、静かになった瞬間、それは少女の大声で破られた。 「レミリア、さん?」 「ええ、そうよ。もう、全然気が付かないんだもの」 拗ねたように言う彼女が、○○の膝の上に正面から乗ってくる。 「ずーっと背中に張り付いてたのに」 「……ずっと?」 「ずっと。私の気配くらい、わかるようになりなさい」 パタパタ、と羽を動かしながら、レミリアはこちらを見上げてくる。 いろいろ、言いたいことはあったはずだった。 何故半日近く姿を見せなかったのか、とか、ずっと見ていたなら声をかけてくれれば、とか。 だが何か言おうとした口からは言葉は出てこなくて。 少しだけ口を開閉した後、彼は何も言わず、彼女に腕を伸ばした。 言葉では到底、今の自分の想いを伝えるのには足りなかった。 不意に強く抱きしめられて、レミリアは一瞬戸惑う。 「○○?」 「……結構、寂しかった」 心の底から響くような言葉。その言葉を耳にして、レミリアは優しげに目を細めた。 「……探し回ってたわね、随分と」 「ええ。姿が見えなくて。とても、心配して」 「……ごめんなさい、ちょっとした悪戯のつもりだったのだけど」 貴方にそんな顔をさせるつもりではなかったの、と囁くように告げる。 「わかってます、けど」 「ええ、わかってるわ」 肩に顔を埋めるように強く抱きしめる彼の顔を上げさせて、軽く口付けをする。 「これだけで、埋め合わせろなんて言わないけど」 「……ええ、足りない」 くる、と視界が変わって、レミリアは○○のベッドに仰向けになっていた。 目の前には、覆いかぶさるように彼が覗き込んできている。 「もっと、いいですか」 「ん……ええ」 落ちてきた少し深い口付けを受け入れて、口唇を離して息をついて、また再び口付けを―― ――その瞬間。 「○○さん、こちらですか?」 「そろそろ答え合わせをしておこうかと思っ――」 パチュリーと咲夜が、半ば閉まり半ば開いたままであった扉を不意に開けたのだった。 数瞬の沈黙。硬直。 「……そこまd――!」 バタン。 パチュリーが何か言いかけた矢先、勢い良く扉が閉まった。いや、閉められたのだろうか。 硬直したままの○○とレミリアの元に、ひらひらとメモが落ちてくる。 それを手に取って一読して、○○は枕に顔を突っ伏した。 「え、何? どうしたの?」 「……どうぞ」 渡されたメモを、レミリアも眺める。 「『ごゆっくり。ですが、少しはご自重くださいね』…… …………咲夜…………」 呆れた声を上げて、レミリアも脱力した。 気を利かせられたのか、からかわれたのか、あるいは素なのか。 どれもありそうだ。 はあ、と大きく息をついて、丁度隣に顔を埋めている○○を眺める。 ○○も顔を中途半端に上げて、レミリアと視線を合わせた。 「ふ、ふふっ」 「はははっ」 何となくおかしくなって、二人で顔を見合わせて微笑う。 「ああ、何となく気が削げちゃったわ……咲夜に紅茶でも入れてもらいましょうか」 するりと○○の腕の中から抜け出て、レミリアは彼の腕を引く。 「ええ、ああ、はい」 起き上がりながらも、何となく名残惜しそうにしている彼に気がついて、レミリアは少し考える。 想いをそのまま言葉にするのは何となく気恥ずかしくて、でも、あんな様子を彼が見せたのは初めてだったから。 自分を必死に探して不安そうな表情も、そして見つけたときのあんなに安堵したような表情も初めてだったから。 「その」 「はい?」 腕を引きながら、少しだけ顔を背けて、レミリアはぽつりと告げた。 「埋め合わせは、後できちんとしてあげるから」 顔が熱い。きっと紅くなっているであろうそれを隠すように、レミリアは少しだけ腕の力を強めて彼を引き寄せた。 「いいわね?」 「……はい」 見上げた彼の表情は酷く嬉しそうで、少しだけ、早まったかな、と彼女が思ったのは秘密である。 ティールームに着くと、まだ何かぶつぶつ言っているパチュリーに紅茶を入れている咲夜がこちらに気が付いた。 「あら、お嬢様、○○さん、随分とお早いお帰りですね」 「何もしてないってば。咲夜、私達にも紅茶を頂戴」 「かしこまりました」 からかわれて不満そうにしながらも、レミリアが○○を離そうとしていないのを見て、パチュリーが一つため息をついた。 「まあ、いいけど、とりあえず人目は気にしなさいね、レミィ」 「ん、気を、付けるわ」 「後、○○さん」 「はい?」 「……扉はきちんと閉めておくことを薦めておくわ」 「……すみません」 顔を紅くした吸血鬼主従の、だがその手がしっかりと握られてることを確認して、パチュリーと咲夜は視線を合わせ、微笑ましく頷いたのだった。 新ろだ158 ─────────────────────────────────────────────────────────── 霜月になって寒さも強くなってきた頃。 暇を持て余していたレミリアは、たまたま訪ねてきた霊夢と魔理沙を館に入れ、お茶に付き合わせていた。 「暇ねー」 「そうねー。またそのうち何か開こうかしら」 だが結局はうだうだとしているだけで、とりあえずこの暇な時間の解消にはならないようだ。 「そういや、この前のあの魔法ってどうやってたんだ?」 「え? ああ、あれね。割と簡単なものよ。むしろジョーク的なものになるかしらね」 「まあ、使い道なさそうだもんなあ」 魔法使い二人のそんな雑談に、霊夢が口を挟んだ。 「この前? ああ、ハロウィンの?」 「ええ。冗談で使ってみる類の、ただ賑やかすだけの魔法。実用性は無いわね」 「私としては、そんな魔法をパチュリーが使ったのが驚きだけどな。結構楽しんでたんじゃないか?」 「さ、どうかしら」 魔理沙の軽口に微笑って応じて、パチュリーは紅茶を口に運ぶ。 「でも見てるほうには面白かったわ。咲夜とか○○さんとか」 「あら、私も?」 霊夢の言葉に、レミリアの命令で一緒にお茶していた咲夜が首を傾げた。 「ええ、耳と尻尾に感情が良く出てて。そう言う効果もあるのかしら?」 「あくまで副産物だけどね。ねえ、レミィ?」 「何で私に話を振るのよ」 そう言いつつ、レミリアの顔は紅くなっている。何かを思い出しでもしたのか、ふい、と顔を背けてしまった。 「ん、何かあったのか?」 「何もないわ――咲夜、紅茶を頂戴」 「はい」 命じて一緒のテーブルに座らせている咲夜に、レミリアは紅茶のお代わりを頼む。 瀟洒な従者はただそれに従っただけだった。主の胸中は察しているが、言葉に出さぬが華というもの。 「そういえば、○○さんは?」 「今日は本を漁ってるわ」 「レミィ、よく把握してるわね」 「からかわないで、パチェ」 実際、起き掛けに今日の予定を聞いていたからなのだが、それを口にすると明らかに泥沼なので黙っておく。 「へえ、仲が良さそうで何よりね」 隠す方が無理な相手と言うものも居るが。どことなく楽しげにからかうように、霊夢が微笑ってみせる。 「何だ何だ、楽しそうな話か?」 「ええ、きっとね」 「適当なこと言うな」 レミリアはそう誤魔化して、手元の紅茶に口を付けた。 賑やかな声が聞こえてくるのを耳にして、彼はひょいとティールームに顔を出した。 「ああ、みなさんお揃いで」 「あ、お疲れさま、○○」 レミリアが咲夜に頷いて、紅茶を用意させる。 「ああ、ありがとうございます、咲夜さん」 「いいえ、どういたしまして」 適当な所――レミリアの隣に腰を下ろして、○○は場を見回した。 「何か楽しそうな声がしたものですから」 「ええ、そうね。この前のハロウィンの話をしてたのよ」 「ハロウィン、ですか」 「具体的には、あのときの魔法についてだな」 楽しそうに魔理沙が口にした瞬間、彼の表情が微かに変わる。 慌てているような、少し紅くなっているような、そんな表情に。 「あ、面白い反応」 「わかりやすいなー」 楽しそうに笑う巫女と魔法使い。レミリアに軽く睨まれて、○○は肩をすくめる。 「ああ、いや、その」 「○○、余計なこと言ったらグングニルだからね」 「ええ、わかってますって」 レミリアが脅すが、こちらも顔が紅くなっているのであまり怖くは無い。 「仲の良いことで」 「咲夜ー、砂糖抜きでよろしくー」 「はいはい」 「あんた達は……」 そう茶化している中、本に目を落としていたパチュリーが不意に顔を上げて何言か呟いた。 ぽむ。 小気味よい音と共に、○○の頭に見覚えのある耳が。後ろには尻尾も生えている。 「……あれ?」 「……え?」 一瞬何があったのかわからず、わかった瞬間、レミリアが声を上げた。 「パチェ――っ!?」 「ほら、魔理沙、割と簡単な魔法でしょ」 怒鳴られたことなど何もなかったかのように、パチュリーは説明する。 「ああ、なるほど。本当に冗談のような魔法なんだな」 「あんたも普通に頷くな! ああもう……」 ちらり、と○○を見上げると、耳と尻尾がピンと立っている。相当驚いているらしい。 「……○○?」 「あ、え、ああ、はい、何でしょう?」 「良い感じに混乱してるわねー。なるほど、わかりやすい」 霊夢が砂糖無しの紅茶を啜りながら頷いた。 会話の途中に我に返ったらしく、だが慌てるように彼の耳と尻尾が動く。 「ああ、すみません、ちょっと驚いて」 「かなり驚いてたんじゃないかしら?」 「……はい」 咲夜の言葉に、しゅん、と耳が垂れる。 「いや、しかし面白いな。その毛皮柔らかいのか?」 魔理沙が○○の頭に手を伸ばそうとした瞬間、レミリアが強く○○を引き寄せた。 「駄目、○○は私のよ」 「おおっと、こいつはすまないな」 レミリアの示した態度に、魔理沙はにやにやしながら手を引っ込める。 自分が何をしたのかがわかって、レミリアは○○を離した。 「愛されてるわねえ」 「ええ、僕もそうですから」 「こら、○○……!」 「はいはい、御馳走様」 尻尾をパタパタと降り始めた○○に、霊夢は軽く呆れのような微笑で応じた。 お茶会は賑やかに過ぎていく。 霊夢と魔理沙が帰る段になってお開きになるまで、話題は尽きなかった。 レミリアの部屋に戻って、その彼女が妙に距離を取ってベッドの上に座っているのを見て、○○は困ったように微笑う。 「うーん、そこまで警戒しないでくださいよ」 「してないわよ、別に」 だが前科があるからか、枕を抱いて○○を軽く睨む様子に、可愛らしいと思いつつもどうしようもない。 というか、拒否するならそれは逆効果だとわかっているのだろうか。わかってない気がする。 それにそもそも、本当に彼を拒絶するなら、部屋には入れないだろうし。 「前回みたいなことにはなりませんから」 「ホントに?」 「前回は、その、いろいろと」 甘いものを食べ損ねていた、とか。いろいろ給仕とか片付けで疲れていた、とか。 そしてこれが一番大きいのだが、パーティの間、そう長いことレミリアといられなかった、とか。 一度は呼んでくれたものの、主人役はそうそう気儘にすることもかなわないから。 途中から結局給仕に戻っていたから、そういうのでいろいろと溜まっていたというか。 「……でも、今も」 ちらり、とレミリアが○○の尻尾を見る。千切れんばかり、ではないが、それでも左右に揺れている。楽しげに。 「ああ、これはその、まあ、レミリアさんの近くにいるといつもといいますか」 かなり恥ずかしい告白をしなければならないが、そうでもしないと近寄らせてもらえまい。 「心が、躍るんです。大好きな人の傍に居られるのは、それだけで嬉しいことですから」 「……本当に?」 「ええ、紛れもない本心ですよ」 これは本当だ。レミリアの傍に居られるのは有り難いし、嬉しい。 「……うん、わかったわ」 少しだけレミリアの表情が和らいで、○○の服の袖を引く。 「こっちに」 「はい」 レミリアの求めに応じて、近くに寄る。レミリアからも距離を詰め、枕を下ろして彼の腕に擦り寄ってきた。 「……うん、落ち着くわね、やっぱり」 「それは嬉しいです」 言葉の通り、尻尾がぱたぱたと動く。それを見て、あ、とレミリアは小さく声を上げた。 「ねえ、○○。尻尾にも触って良い?」 「え、ああ、はい。引っ張ったりされなければ」 その言葉に嬉しそうに頷いて、レミリアはもふもふと、前に回してきた○○の尻尾を抱きしめた。 「ん、やっぱり柔らかいわ」 「……ですか?」 「ええ、こうしたら気持ち良さそう、とは思っていたんだけどね」 もふもふしながら、レミリアは大変満足そうである。やれやれ、と思いつつも、○○も成すがままに任せた。 「あー、しかし明日一日このままですかねえ」 「かもね。大体一日って言ってたし」 「んー、明日は里に行くことにしてたんですが……」 「……駄目。耳尻尾有りは問題あるだろうし……それに、この貴方は私だけのものだから」 それは、あまり人に見せたくない、ということだろうか。 少し嬉しく思いつつ、明日誰かに連絡を頼まないと、と考えていると、レミリアが尻尾に顔を隠すようにして、ぽつりと呟いた。 「…………だから、前のこと、嫌だったわけじゃないから」 「……はい」 一瞬心臓が躍って、それを無理矢理静める。 「……今日は、もう寝ましょうか」 「そう、ね」 このままだと、妙な空気に発展してしまう。そうなる前にと、○○は少し腕に力を入れて囁く。 「……次は、あんなことにはなりませんから」 「……うん。約束よ」 「ええ、約束です」 その言葉に照れたようにこくりと一つ頷いて、レミリアは尻尾を抱いたまま○○に擦り寄った。 「それじゃあ、おやすみ、○○」 「はい、おやすみなさい」 幸せそうに目を閉じた彼女を抱き寄せて、○○は静かに目を閉じた。 腕の中の温もりを、この上なく愛しく感じながら。 新ろだ169 ─────────────────────────────────────────────────────────── ○○は里でたまに仕事をする。 何てことは無い、紅魔館に住み始める前からの習慣だ。 たまに出ては日銭を貰い、それをかつては博麗神社、現在は紅魔館に入れている。 無論、吸血鬼となった彼が里に再び出るには、人里の守護者や妖怪の賢者、博麗の巫女との会議が必要であったが。 結果的に許可された大きな理由は、彼の主人たるレミリアが幻想郷の人間に危害を加えぬ約束をしていたからであろう。 彼自身もそれに従う、という形を取ることで、意見は概ね一致した。 そして彼は今日も里に来ていた。本格的な冬支度の手伝いのため、ここのところ連日である。 幻想郷の冬は彼にとっても初めてであるが、相当厳しいということは訊いていた。 紅魔館から禄に出られないことも覚悟しておくように、とも言われている。 「そろそろ昼飯にするかー」 誰かが言い出して、それぞれ集まって弁当を開く。 ○○も今日は弁当だった。たまに里の食堂で食べることもあるが、たまにこうして作ってもらっている。 自分でも作ったりもするが、作ってもらうと嬉しいものだ。 直射日光を避けるため木陰に入り、ぱか、と弁当を開けると、色取りも鮮やかなおかずが現れた。 プラス白飯である。紅魔館に和食というのはどこかアンバランスでもあるが、○○の好みに合わせてくれたりもしている。 それはそれで申し訳なくも思うのだが、レミリアに遠慮しないよう言い渡されているので、ありがたく頂いている。 「お、兄ちゃん、旨そうだなあ」 「ん、ええ」 里人に声をかけられ、○○は弁当に箸を伸ばしつつ頷いた。 「いいよなあ、うちの奴も作ってくれるといいんだが」 「そう言うお前だってたまにもらってるだろうがよ、独り身にゃ辛いぜ」 そうわいわい言いながらの昼食も慣れたものである。 だが、よく見れば、いつもの弁当とは少し違うことがわかる。 それに気が付くのは彼にとっては当然ではあったが、思わず頬が緩んだ。 少し玉子焼きは焦げついているし、入っている野菜もどこか不揃いだけれども。 にやにやしながら食べていたことに気がつかれたのか、一人が声をかけてきた。 「なあ、良かったら一つ交換しないか?」 「あー、駄目です。今日のは」 少し困ったような表情をしつつも、きっぱりと断る。 「えー、そんなに旨そうに喰ってるのに」 「だからです。駄目ですよ」 手を伸ばそうとしてくる相手から遠ざけるように弁当を抱えて距離を取る。 その様子を面白がってか食いたがってか、何人かが参加し始めた。 「お、いいな、俺にもー!」 「複数は卑怯ですよー!」 「なら大人しく寄越せー!」 「それだけは断る!」 慧音に見られでもしたら、「何をやってるんだ」と呆れられるに違いない光景。 その喧騒を打ち破ったのは、静かな少女の声であった。 「一体何をしているのかしら?」 一同、ぴたりと停止する。その停止した中で、ただ一人○○だけが普通に挨拶した。 「あれ、レミリアさん。散歩ですか?」 「ええ、神社に行くついでにね。咲夜と一緒に」 レミリアはそう、後ろにいる咲夜に視線を送る。 「ん、では僕は今日の仕事が終わったら神社に向かいましょうか」 「それもいいわね。たまには」 微笑む表情は、それでも周囲に他の人間がいるからか、少しだけ余所向けの、紅魔館の主としての表情。 それでも、○○には一向に構わない。そんなものも全て含めて彼女のことが好きなのだから。 「今は?」 「ああ、昼食中だったんですよ」 「それにしては騒がしかったようだけど」 ○○がまだ手にしている弁当と、少し引き気味の里人達を交互に見てレミリアが呟く。 「まあ、弁当を死守していただけですよ」 「……よくわからないわ。まあ、咲夜の作ったお弁当なら、人気もあって当然だけどね」 ね? と背後の咲夜に話を振る。 「そうであるなら光栄ですわ」 本当に私のものなら、という含みを持たせるように、咲夜も楽しげに微笑んだ。 そのからかいの気配を感じたのか、レミリアは機嫌を損ねたかのように○○にも話を振る。 「○○だってそうでしょう? 咲夜の作ったものは美味しいものね」 「ええ、まあ」 曖昧に頷いて、○○は玉子焼きを一つ摘むと、レミリアに食べさせた。 「どうです?」 「……貴方はたまに唐突よね……」 「僕としては大変好みの味なんですけど。焼き加減といい味付けといい」 「……咲夜の料理だもの」 そういうことにしますか、と呟いて、彼は残りのものも平らげる。幸い、取られたものはなかった。 「大変美味しかったですよ」 「だから、私じゃなくて咲夜に言いなさい。ああ、でもついでだからその箱は預かっておいてあげるわ」 「ありがとうございます」 受け取って、荷物持ちになるのは当然咲夜だったけれども。 「では、そろそろ昼休憩も終わりますし、また行きます。後で神社で」 「ええ、待ってるわ。行くわよ、咲夜」 「はい。それでは、○○さん」 「はい、お願いします」 了解の頷きを交わして戻ってきた○○に、里の男達は一様に大きく息をついた。 「……本当にお前さんはなんてーか」 「羨ましいのとよく平気だなってのと、そういや兄ちゃんも妖怪だったかと」 ○○はそれぞれの言葉に曖昧に応じるように微笑う。 「いやいや、僕は全く普通ですよー」 嘘をつけ、と突っ込まれたのは当然の流れだったけれども。 「……で、ここでお茶飲みに来たと」 「いいでしょ、たまには」 「お賽銭持ってきてくれるならね」 神社の居間、炬燵に入りながらの会話である。 「あんたも大変ね、咲夜。好き勝手振り回されて」 「あら、心外ね。そんなことはないわよ」 レミリアのカップに紅茶を注ぎながら、咲夜も応じる。 「それに、その弁当も、自分で作ったって言えば良かったじゃない」 「言えるわけ無いでしょ」 ふい、と顔を背けるレミリアに、やれやれ、と霊夢と咲夜は顔を見合わせる。 丁度そのとき、境内に魔理沙が下りてきた。 「よー、寒いな。って、お前ら来てたのか」 「居ちゃ悪い?」 「悪い」 霊夢の言葉をスルーして、レミリアは紅茶に口をつける。 「そうだ魔理沙」 「ん、何だ霊夢」 何かを含んだ霊夢の声に、同じ様な口調で魔理沙が答える。 言いながら、すでにその身は炬燵の中へ入ってぬくぬくしていたが。 「里の上通ってきたんでしょう? 何か作業してたと思うけど」 「ああ、冬支度かー。ん、ああ、そっか、そだな」 霊夢の含みに気が付いたように、魔理沙はうんうんと頷く。 咲夜は肩をすくめているが、レミリアは顔を背けながらも気になっている様子だ。 「○○もいたなー。何か楽しそうにしてたが」 「へえ、まあ、今日はいいものも貰ってたみたいだしね」 「いいもの? 何だそりゃ」 「それがね……」 「霊夢」 咎めるような響きを持ったレミリアの声が二人の会話を中断する。 「別にいいでしょ、レミリア」 「ん、何だ何だ、何やったんだ?」 楽しそうに魔理沙が混ぜっ返す。兎にも角にも、この吸血鬼主従は話題に事欠かないからだ。 巻き込まれて砂糖を吐く破目になることも多いが、彼女達はそれはそれで楽しんでいる。 「お弁当。ね、咲夜?」 「ええ、お弁当、ね」 「咲夜……」 じと目でレミリアは咲夜を見るが、彼女は優しく微笑んだままだ。 レミリアは照れたように再び顔を逸らす。咲夜は何も、自分の意に反することをしているわけではない。 直接何かを伝えているわけではないし、別にレミリアも止めてはいないから。 「んー、ああ、なるほどねー」 いろいろ察したらしい魔理沙が、にやにやとレミリアを見返す。 「そりゃあ、○○も張り切るってもんだな」 「煩い」 冷たく言葉を撥ね退ける様子も、照れたままではその効果はなく。 何処までも強情なその様子に、何となく微笑ましい気分で人間三人は笑みを交わしたのだった。 夕方近くになる頃、一つの人影が神社に降り立った。軽く障子を叩いて、返事を貰った後に入る。 「どうも、遅くなりまして」 「おー、遅いぞー」 「待ちくたびれてるわよ、ほら」 霊夢の言葉に、○○は彼女を示した方を見る。 「お嬢様、今日は随分早かったものだから」 「ええ、そうでしょうね」 咲夜の言葉に――眠ってしまっているレミリアを膝枕している咲夜の言葉に頷いて、○○はレミリアの傍らに座る。 「いや、意外と長引いてしまって」 「まあ、幻想郷の冬は厳しいからな」 「○○さんも覚悟しときなさいよ?」 「はい、覚悟しておきます。ところで」 鍋の材料など頂いてきたのですが、という一言に、霊夢と魔理沙が歓声を上げる。 「温かい物が丁度食べたいと思ってたんだ、グッとタイミングだな」 「手間も省けていいわね」 「作らせる気かよ」 掛け合いに笑って、彼は軽く頷いた。 「久々ですし、作りましょうか」 「……じゃあ、咲夜も手伝った方が良いわね」 ゆっくりと起き上がって、レミリアが目をこすりながら告げる。 「ああ、起こしてしまいました?」 「ん、いいわ。お疲れ様」 「はい」 嬉しそうに微笑った○○に頷いて、レミリアは咲夜を呼んだ。 「私もここで食べてくわ」 「はい、かしこまりました」 「まあ、今回は○○さんが持ってきたものだし仕方ないか」 「では、行ってきます」 霊夢の許可を得て、○○は材料を持って神社の台所に入っていった。 「ところで」 「はい? 何かしら?」 二人がかりでさくさく進む料理の途中、彼はふと咲夜に尋ねた。 「咲夜さんですか? 僕の好みを伝えたのは」 「ああ、ええ、幾らかはね。後はお嬢様の匙加減よ」 「ですか。いやはや、咲夜さんにも劣らずの腕前で」 本日全体的に上機嫌なのはそれが理由かと、咲夜は微笑む。 「お嬢様は器用でいらっしゃるしね。今回はお嬢様から言い出したことだし」 「そうなんですか。いや、嬉しいです」 「だから」 手際よく煮込みながら、咲夜は少し真剣に告げた。 「後できちんと、お嬢様に伝えておいてね?」 「はい、もちろんです」 「よろしい」 真摯な態度で返したその様子に、そう咲夜は頷いたのだった。 とりあえず、鶏鍋などに舌鼓を打ち、夜も更ける頃に紅魔館組は神社を後にした。 「じゃ、また本格的に雪が降る前に行くってパチュリーに伝えておいてくれ」 「あまり盗って行くと、パチェも本気で怒り出すわよ?」 軽口を叩き合って、彼女達は微笑う。魔理沙は泊まって行くつもりらしい。 「じゃ、お暇するわ」 「今度は賽銭持ってきなさいよねー」 「はいはい」 適当に挨拶をして、三人は紅魔館に向かって飛んでいった。 戻って湯浴みした後、レミリアは自室のベッドで、手持ち無沙汰にパチュリーから借りた本をめくっていた。 一人は退屈だが、仕方が無いのだ。○○は連日――ここ一週間程、里に出ている。 ということは生活が彼女とはほぼ反転してしまっていることであり。 結局、一人で居る時間が長くなってしまっていた。 「ふう……」 それでも、彼があちこちにふらふら出歩くのは、レミリアはそう嫌っているわけではない。 むしろ、前と同じ様子が見られて、少し安心する所もある。 だが、確かにそれはあれど、一人で居るのが退屈なことに変わりはなくて――結局、無為に時間を過ごしてしまう。 咲夜にお茶でも頼もうかしら、と思った瞬間、扉がノックされる音がして、レミリアは起き上がって適当に返事を返した。 「ああ、もうこちらにお戻りだったんですね」 「○○? どうして、明日も里じゃないの?」 驚いたレミリアに近付いてきて、彼は少しはにかむように微笑ってみせた。 「明日は休みを貰いました。そして、里の方に出るのも後一日という話も頂いてきましたし」 「本当!?」 声に嬉しさが混ざったことに気が付いて、レミリアは一つ咳払いした。 「いいの、それで?」 「もう大方は終わってますし。帰りに紅魔館用の荷物を買い出して終わりです」 レミリアの隣に腰を下ろしながら、にこにこと笑って彼はそう言った。 「そう、じゃあ、今日はここで休めるのね」 「はい、お邪魔でなければ」 「むしろ命じて上げる。ここに居なさいってね」 悪戯っぽく笑ったレミリアに笑い返して、そうだ、と彼は呟いた。 「改めて、ですが。お弁当、ありがとうございました。大変美味しかったですよ」 「な、あれは……」 「咲夜さんじゃなくて、レミリアさんでしょう? 嬉しかったです、とても」 率直な言葉に咄嗟に返せなくて、レミリアは紅くなった顔を誤魔化すように背けた。 「……咲夜の方が上手でしょう?」 「まあ、慣れの点から言えばそうかも知れません。でも僕にとっては」 レミリアの頬に手を当てて自分の方を向かせて、○○は告げる。 「貴女に作ってもらえた、ってことが何よりも嬉しかったです。美味しかったですしね。御馳走様でした」 「……本当に?」 「ええ、本当です」 「……うん」 嬉しそうに、まだ照れたように微笑んで、レミリアは○○を抱きしめた。 唐突なことに驚く彼に、そっと囁く。 「……最近、忙しいみたいだったもの」 「ああ……寂しかったですか?」 「そ、そんなことは……」 「僕は、結構寂しかったです」 だから、とレミリアの背に腕を回しながら、彼が応えてくる。 「今日のお弁当、とても嬉しかった」 「……うん」 レミリアは目を閉じて、その抱擁を受け入れた。 朝に、咲夜を捉まえて弁当の作り方を教えろ、と言ったとき。 咲夜は最初驚いた顔をして、でもすぐに頷いてくれた。 いろいろ教えてもらって初めて作った弁当は、少し不恰好か、と我ながら思ったけれども。 でも、彼がこんなに喜んでくれたなら、作った甲斐があると言うものだ。 無論、そんなことをしたなんて、滅多な者には知られたくないけれど。特に天狗とか天狗とか。 「少し安請け合いしすぎましたかね、今回のは」 「ハクタクに、長く借りてすまない、って言われたわ、今日」 「ん、ですね。まさか、こんなに続くとは」 「でも一週間よ?」 「でも、その間レミリアさんとあまり一緒に居られなかったから」 子供みたいな言葉にくすくす笑って、レミリアは○○の胸に頬をつけた。 「なら、これから埋め合わせて。明日一日は私のものだし」 「その次が終われば、当分は一緒に居られますしね」 「ええ、一緒に、居て」 見上げて、レミリアは彼の頬に手を当てて、そっと顔を近づける。 「ん……」 軽く口唇を重ねて、さらに擦り寄るように抱きついた。 「ね、○○」 「はい?」 「毎年、冬は退屈になりがちだけど……今年は幾分か、マシになる気がするわ」 「そうですね、僕はこちらが初めてですから、何事も珍しいですし」 微笑って、彼はレミリアに口付けを送ってくれた。優しい、温かいキス。 「これからもいろいろと、よろしくお願いします」 「ええ、こちらこそ」 抱きしめて笑い合って、ぽす、とレミリアは○○をベッドに倒した。 「ここしばらくの話を聞きたいわ。随分楽しそうだったものね」 「では、寝物語にでもしましょうか。どうぞ」 「うん」 少し休むのには早い時間だけれども、こうして話をしながら横になるのもいいかもしれない。 そんなことを思いながら、レミリアは○○の腕を枕にして横になる。 「話をする前に」 「ん?」 「いろいろと本当に、ありがとう。大好きですよ」 カッと顔を紅くして、レミリアは○○の胸に顔を伏せる。 「唐突なのよ、貴方は」 「すみません」 「……でも、私も。貴方のことは、大好きだから」 紅くなったまま彼を見上げれば、彼も照れたように顔を紅くしていて。 「改めて言うと照れますね、こういうのは」 「貴方から言い出したことじゃないの、全く。さあ、話を聞かせて頂戴」 身体を寄せて囁いた言葉に、では、と彼も話を始めた。 久し振りに二人で眠ったベッドの中は意外なほど暖かくて。 こうした日々の少しずつを大事にしていけたら良いと、どちらともなく思いながら、彼らは眠りについた。 新ろだ196 ───────────────────────────────────────────────────────────
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フランドール・スカーレット ステータス Lv1 成長率 消費SP HP 124 16 SP 102 16 TP 7 攻撃 113 22 防御 26 5 魔力 72 14 精神 6 1 敏捷 100 11 回避 2 0 状態異常耐性 猛毒 20 麻痺 20 沈黙 0 即死 20 パラ低下 0 属性相性 熱属性 342 冷属性 28 風属性 61 然属性 54 魔属性 90 霊属性 46 SP回復率:10% レベルアップ難度:128 加入条件 数回あるフランとの遭遇イベントを順にこなしていくと、 15Fにあるカトレアの魔方陣の奥で戦闘になり勝利することで仲間に。 大雑把なフランの居場所は下記の通り。 上から順にこなしていかないと次のイベントが出現しないので注意。 (1回目) 11Fで緑のスイッチをON、青をON、赤をOFFで行ける場所。 (2回目) 12Fの中継地点の北。全てのスイッチをONにした後、緑のみOFFにすることで到達可能。 (3回目) 13Fの仕掛けの数値を120(4・5・6・7の水晶をON)にしてワープしたエリア右下。 (4回目) 14Fの左下辺り。 (5回目) 15F左下のカトレアの魔方陣がワープ可能になっているので、そこを進むとフランとの会話。 霊夢、魔理沙、レミリア、咲夜、パチュリー、美鈴の合計戦闘ポイント3000以上で戦闘になり、勝利後仲間に。 スペル 名前 消費SP 対象 属性 倍率 攻撃力 防御力 効果 使用後ゲージ量 備考 スターボウブレイク 66 敵単体 無 225% 攻200% 防50% 命中+25自分に無属性反動ダメージ 50% ※反動ダメージ量物理反映率40 防御反映率50 ダメージ倍率40このダメージではHP0以下にはならない フォービドゥンフルーツ 100 敵全体 魔 150% 攻200%魔200% 防50%精50% 命中+80 50% 複合スペル使用すると味方全員のアクティブゲージが半分になる(0未満にはならない) レーヴァテイン 166 敵全体 熱 150% 攻300%魔300% 防50%精50% 命中+100 50%(Ver.1.13)20%(Ver.2.04) 複合スペル高威力・高命中だが使用すると自分以外のアクティブゲージが0になる 備考 雑魚戦からボス戦まで常に活躍できる優秀なアタッカー。 燃費は悪いが圧倒的に高い攻撃力を持ち、敏捷もかなり高い。 中でもレーヴァテインは性能が良く、更にフラン本人のステータスも高いので熱耐性の無い相手ならばまず間違いなく十分なダメージが取れる。 だが、技のどれもがデメリット持ちで自分や味方に被害を与えるので気軽には使えない。 技の特性上殲滅役としての適性が非常に高いが、倒せなかったら全滅の危機に直結するロマン系一発屋。 HPは鬼二人に匹敵する高い伸びを見せるが装甲面はその攻撃とHPに反比例して圧倒的な紙、前に出ると適当な全体攻撃一発でも簡単に死ねる。 特に精神は絶望的、更に耐性も極端で、熱属性耐性は非常に高いが魔属性耐性以外は穴だらけもいいところ。 耐久面は敵の攻撃を受けないことを前提に切り捨て、殺られる前に殺れの覚悟で火力のみを追求した方がいい。 スペルのデメリットを考慮すると、ボス相手には必然的にスターボウブレイクがメインになる。 しかし耐久面が紙なのに加えてスターボウブレイクの反動で瀕死になりがちなので、呼び出すタイミングには気を付けたい。 またボス戦で撃ち逃げ要員として使うには、初期のTPでは非常に心許ない。 安定して運用するためにも、TPは適度に補強しておきたい。 ステータス振りについて 防御・精神は振るだけ無駄なので、フランの攻撃で確殺できるよう素直に攻撃特化で育てるのがオススメ。 スキルポイントは、攻撃2魔力1程度の割合で振っていくといいだろう。 ボス戦運用のみで、レヴァ剣を使用しないのであれば魔力は振らなくても構わないが、その活躍具合からすれば少々勿体無い。 敏捷は振らずとも十分な伸びを見せるので、スペルのデメリットを出来るだけ減らす為にも 行動順がPT内で最後になるように極力敏捷に振るのは抑えた方が汎用性は広がる。 30階到達後は使用率がスターボウブレイク>>>>>レーヴァテインとなり、 敏捷が高くて困ることはなくなる為敏捷に振るのも非常に有効。 鈍速の敵では向こうの遅延が大きい技の後に交代し、ブレイク一発当ててから自力で退場などもできるようになり攻防共に隙が減る。 あえて耐久を求めるのであれば、非常に高い伸びを見せるHP、効率の良い属性耐性に振ろう。 属性の穴を塞ぎきってしまえば、一発くらいなら耐えてくれる壁にもなりうる。
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出逢い篇 それは、静かで騒々しい幻想郷での、一つの妖恋譚。 ふらりと外から迷い込んだ一人の青年を巡る、彼を捕らえた運命の物語。 彼に囚われた、運命の物語。 その出逢いは唐突で突然で――たまのこうした運命の気紛れを、少なくとも彼女は楽しんでいた。 「咲夜、それは誰? 客人?」 「お嬢様。ええ、黒白と紅白に連れられてきた、外の人間ですわ」 咲夜の紹介に、レミリアは厨房で紅茶をの淹れ方を教わっていた、背の高い青年を見上げた。 「初めまして、○○と申します。お邪魔しています」 「レミリア・スカーレットよ。へえ……」 初めは、何故にここに来ようとしたのか、そもそも自分に挨拶も無く上がりこんでいるとは何事か、とか、そういったものを訊こうとした、はずだった。 「…………変な人間ね」 「そう、でしょうか?」 首を傾げた青年を、レミリアはまじまじと見つめた。 彼に絡む、幾重もの運命が視えたから。 外の世界の人間、だからだろうか。彼が、何の変哲も無い人間、だからだろうか。 しかも、一つとして数奇で無いものは無い。それともそれは、この幻想郷に来てしまったからだろうか。 悪戯に手繰れば――そこまで考えて、レミリアは心の中だけで首を振り、当たり障りのない話題を振った。 「そうよ、私が何者か知らないわけでもあるまい?」 「ああ、吸血鬼、ですよね。霊夢さんと魔理沙さんにお聞きしました」 「…………血を吸われるとか殺されるとか、思わなかったの?」 「…………そういえば、思いもしませんでした」 変な奴だ、と思った。飄々と、あるいはのんぴりとした、全くもって不思議な人間。 だから、彼女は。 「気に入ったわ。貴方のその変な運命も含めてね」 そう、微笑った。 全くもって変な人間だ。 図書館に入った瞬間、子どものように瞳を輝かせた○○を見て、レミリアは笑う。 「まるで子供ね」 「あ、いや、すみません」 照れ臭そうにした○○に、レミリアはもう一度微笑む。 「まあ、読むよりパチェに聞く方が早いかもしれないけどね。こっちよ」 そう歩き出して間もなく、彼女は親友が呼んでもない来客と会話をしているのを見付けた。 「あら、レミィ。そう、それが今回の訪問の原因なのね」 「ええ」 「初めまして、○○と申します」 「礼はなっているようね。パチュリー・ノーレッジよ」 そうパチュリーが応じたことに合わせたかのように、魔理沙と霊夢がレミリアに声をかけた。 「勝手に上がらせてもらってるぜ」 「そろそろお茶が欲しかったのよ、丁度良かったわ」 「貴女達は少し遠慮を知りなさい」 ごく普通の挨拶が交わされた後、魔理沙が口火を切った。 「まあ、訪ねた理由はこいつだ」 「外の人間、ねえ。まあ変だけど、何の変哲もない人間ね」 「私もレミィに同感ね。確かに変わっていても、取り立てて騒ぐほどではないわ」 「それがなあ…」 魔理沙が簡単に説明するところに因ると、彼はまだこの幻想郷に来て三日目なのだが、名のある人妖のほとんどと顔見知りになったという。 例えば、と尋ねると、霊夢と魔理沙が指折り数え始めた。 最初は里に。里の半獣と挨拶し、寺子屋の子供達が起こした騒動で妖精達に懐かれ、ついでに氷精に縁のある妖怪達とも知り合いになり、里に戻った後では雑貨を求めて入った店で半霊の庭師に出会って。 「そういえば、そこからの帰りに咲夜さんにお会いしたんですよね」 「そうなの、咲夜?」 「ええ。初対面で紅茶について語ったのは初めてでしたわ」 「一体どこをどうしたらそうなるのよ。ああ、続けて」 神社に戻ってからは、人形遣いと鬼とスキマ妖怪がたまたま訪ねてきて小さな宴会になって。 その翌日、つまりは昨日だが、里に一人で出た際に急病人に遭い、永遠亭まで運んでいき、あの界隈の面子に気に入られ。 帰りに雨に降られ、傘を持っていたまでは良いが、それを雨宿りしていた式の式の化猫に貸し与えてしまい、ずぶ濡れで帰って来た後に今度は九尾の狐が礼を言いに来て、それから―― 「もういいわ、大体わかった」 レミリアは息をつく。なるほど、数奇にも程がある。まるで自分が運命を操っているかのような遭遇頻度だ。 「で、さすがに変だと私と霊夢の意見が一致してな。方々回ってみてるんだが」 「あら、でも今日は宴会じゃなかった? 今聞かずとも……第一、外でどう暮らしてたか聞けばいいことでしょう?」 咲夜の問いに、霊夢と魔理沙は首を振る。 「覚えてないのよ」 「覚えてない?」 「いや、こちらに来てから記憶がぼんやりとしたままで。面目ない」 「あやまることじゃないぜ。ただ、何かあるんじゃないかって思ってさ」 魔理沙の言葉に、レミリアが切り返す。 「それは、霊夢の勘? 何か起こる、っていう」 「勘は働いてるけど、そうでもない。○○さん自体に危険はたぶんないわ」 ではどうして動いているのか、という問いは愚問だった。 要するに、彼はよい暇潰しの材料なのだ。 その当人は、紅茶を啜りながらのほほんとした表情をしていたが。 しばらく歓談していると、どうも○○が外では書生であったことが明らかになってきた。 「じゃあ、外の書物については何かわかるかしら?」 「パチェ、また新しいの入れたの?」 「お、どんなのだ?」 「後で言うわ。とりあえず、外の本についての知識が欲しいのよ。教えてくれないかしら」 「僕にできるなら。とはいえ、一介の学生ですから、わかる範囲には限りがありますよ?」 「十分よ。零より一の方がまだマシとは思わない?」 「確かに」 「じゃあ、ちょくちょく手伝ってもらおうかしら。レミィ、いい?」 「いいわよ。それに、確かに良い暇潰しにはなりそうだわ」 「どんどん扱いが酷くなってくな、お前」 自分達のことは棚に上げて、○○の肩を叩きながら魔理沙が笑う。 「なら、早速幾つかお願いしていいかしら。小悪魔に案内させるわ」 「はい」 パチュリーが小悪魔を呼び、彼女に案内されて○○は図書館の奥に入っていった。 「楽しそうね、気に入った?」 「本のことだもの。それにレミィほどじゃないわ」 「お前らもか……あいつはどうしてこう人外に気に入られるんだ?」 魔理沙が呆れたような苦笑で腕を組む。 「どうしてでしょうか、彼は普通の人間だと言うのに」 「そうね、咲夜。貴女や霊夢や魔理沙のように、何か特別なものを持つわけでもなく、ただただ普通だと言うのにね」 そう言って、パチュリーは紅茶を啜った。 「確かに。普通の人間なのに、とてつもない違和感がある、というところかしら?」 「ん、ということはレミリアもそうなのね」 「ええ」 「あるいは、『外の人間』かつ『普通の人間』だから、と言う可能性があるわね」 「どういうことだ、パチュリー?」 魔理沙の問いに、パチュリーはあっさりと答える。 「外の常識は幻想郷の非常識。外で普通の人間だったのだとしたら、私達にとって違和感が出るのも当然なのかも知れない」 「普通かつ非常識、か。やっぱり変なのね」 「ところで、当の○○が遅いんだが」 魔理沙が図書館の奥を眺めながらそう口にする。確かに遅い。 「パチュリー、そんなに大量にあるのか?」 「そこまで頼んだつもりではないんだけど……」 「パ、パチュリーさまあっ!」 会話を遮るように、小悪魔が駆け戻ってくる。 「どうしたの、小悪魔。○○さんは?」 「そ、それが、目を離した隙に居なくなって……」 「またかあいつは」 「また?」 「子供よ、まるで。好奇心が旺盛すぎるの。目を離したらどこかにふらっと行っちゃうし……まだ幻想郷が珍しいのね」 「また厄介な人ね。それで?」 「あ、あの、危険図書の方には行ってないはずなんですけど、妹様の部屋の扉が開いておられまして……!」 「そういえば、最近は部屋の外に出るのも許可してたわね……」 「探しましょうか」 「そうね、壊れられても後味が悪いし……あら?」 レミリアの感覚が、妹の魔力を捕らえる。至極近い。しかも動きがやたらとゆっくりで――? そして、その魔力の気配はすぐに本棚の列の角を曲がってこちらにやってきた。 「あーっ! 魔理沙ー! 霊夢ー!」 「………………」 その場にいた全員が、目の前の光景に一瞬我が目を疑った。フランドールと○○。その組み合わせだけでも奇妙だと言うのに。 「ああ、戻って来れました。すみません、迷子になって」 「………………それは良いとして、何故フランを肩車してるの、貴方は」 「はあ、何だか成り行きで」 レミリアの呆れた言葉に、こちらもわけのわからないと言う感じで○○が首を傾げる。 当のフランドールは○○の肩の上から、魔理沙に向かって飛んで行っていたが。 「久し振りね、フラン」 「うん、霊夢は久し振りだねー」 「なあ、何で○○と一緒に来たんだ?」 「え、だって魔理沙達来てるって言ってたから」 「いやいやそうでなくてな?」 どうやら、ふらふらと迷い出た○○を見つけ、誰何したところ名前と共に魔理沙達と一緒に来たことを教えてもらったらしい。 「……本当に、悪運の強い人ね、○○さんは」 「そうなんですかねえ」 その暢気な様子を見て、レミリアが笑い出す。 これは面白い。ここまで数奇な運命を持っていて、そして死に限りなく近いところを歩きながら、しかしそれでも生の道を選ぶ人間。 普通の人間が幻想郷に来ると、かくもこうなるものか。 「あはは、ますます気に入ったわ。貴方はいつ此処を訪れても良い。何時でも来なさい。此処の門は貴方の前には何時でも開かれる」 「お嬢様?」 怪訝そうな咲夜に一つ手を翳して制して、レミリアは笑いすぎて目元に滲んだ涙を拭った。 「そこまで笑うほどおかしいですか、僕は」 「私はむしろ呆れてるんだけどね」 霊夢が肩をすくめて、○○さんには天然たらしの素質があるわよね、と物凄く失礼なことを彼に告げていた。 どうして、あんなことを言ったのか、後にレミリアは自問することになる。 彼に絡むは無数の運命。悪戯に手繰れば――手繰れば。 わかっていたのに、どうして、私は。 その晩に行われた宴会は、○○の人妖達への紹介も兼ねて。とはいえ、ほとんどがもう顔見知りになった後だったが。 ちなみに、鬼だの天狗だのに飲まされた彼はあっという間に潰れてしまっていた。 「なんだ、弱いんだなあ」 「そうですねえ、もう少し持つと思ったんですが」 「あんた達二人にかかって持つ方が不思議よ」 萃香と文のぼやきに、霊夢がやれやれとため息をつく。 「あーあ、駄目だ、完璧寝てるな」 「子供みたいな顔で寝るのねえ」 ぞろぞろと主賓であるはずの彼に集まってきて、誰かが口にした言葉が変な火種になった。 曰く、「可愛い」と。 そこから流れがおかしくなり、挙句の果てに誰が介抱するかで弾幕勝負にまで発展してしまった。 「……どうしてこんな馬鹿馬鹿しい事態になったのかしら」 「霊夢、諦めたら? そういう運命なのよ、きっと」 「レミリア、あんたねえ……」 一斉に始まろうとした勝負だが、空間の関係上代わる代わる弾幕を放っているのでのんびりと酒を呑みながら眺める面子もいた。 「参加しないの?」 「どうして私が介抱なんかしなきゃいけないのよ」 「まあそうだけど。随分気に入ってるみたいだから」 「んー、面白そうくらいには思うけれどね。大人なのに子供みたいで」 そう、寝こけている○○の方を見遣る。誰が介抱するか勝負しているので今は放置中だ。本末転倒である。 レミリアは好奇心から彼の傍に寄ってみた。子供のような寝顔。確かに彼女にしてみたら赤子のような歳だけれども。 昼間に会ったときとは全く違うその表情を面白く思って、彼女は彼の頬を軽く摘んでみた。 「うー……?」 目を覚ましてしまった。いや、寝惚けている? そう思う間も、なく。 「――――――――――っ!?」 音がしそうなほどにしっかりと腕を掴まれ、レミリアは声を上げそうになるのをこらえた。いや、そんなに力を入れて握り締めているわけではない。だが。 寝惚けたような眼でこちらをを見上げ、安心したように微笑ってまた眠りに付くとは何事か。しかも腕を掴んだまま。 安心するな。お前は私を何だと思っている。私は吸血鬼で、吸血鬼は、畏怖される存在で――! なのに、どうしてお前は、そんな顔を。 「レミリア、どうかしたの?」 「お嬢様?」 霊夢と戻ってきていた咲夜の言葉に我に返って、レミリアは○○の腕を振り払った。 「な、何、霊夢、咲夜」 「いや、何となく。○○さんはどう?」 「普通に寝てるわ」 「お嬢様、どうかなさいましたか? お顔が……」 「何でもない! 咲夜、私も混じる。行くわよ!」 「は……? はい。承知しました」 一瞬怪訝そうになったものの、咲夜は合点がいったように微笑して彼女の主人に続く。 それを見送って、霊夢はため息を一つつくと、○○を眺めた。 「レミリアがあんなに驚くなんて、一体何をしたのやら」 「あら、見てなかったの霊夢?」 「大胆よ、だっていきなり腕を握り締めたんですもの」 「あんた達もどこから沸いて出るのよ」 やはり騒ぎの傍観側に回っていた紫と幽々子がやってくる。 「でもなるほど、いきなり羽が大きく広がったから何事かと思ったら」 「面白いわねえ、何だか弄りがいがありそうで」 「あら紫、駄目じゃない。やるなら弄るくらいで終わらせては駄目よ」 そんな二人を放置することに決めた霊夢は、空で各々が思いっきり弾幕を張り始めたのを見て、結界を強化し始めた。 ちなみに弾幕勝負は、途中から何が目的だったのかなどすっかり忘れ去られ。 潰れていた○○は途中で目を覚まし、飽きずに弾幕勝負を眺めていた。 宴も終わりに近付いた頃。 「○○」 「え、あ、はい? どうかしましたか?」 レミリアは○○に声をかけて、その隣に座った。 「次に紅魔館にはいつ来る?」 「え、あ、いえ、別に予定は。ああいや、行くのが嫌だと言うわけではなくて」 「じゃあ、早いうちに来なさい。パチェの手伝いもあるでしょう? いいわね?」 「あ、ああ、はい」 それだけを告げて、レミリアはさっと立ち上がる。 「あの」 「何?」 「僕、酔ってたときに何かしましたか?」 「別に、何もしてないわ。それに貴方は寝てたんだから、何もできるはず無いでしょう?」 「まあ……そうなんですけど、紫さんとかに僕が寝惚けてたとか何とか言われて……」 「どうせ与太話でしょ。あんなスキマの言うこと真に受けることないわ」 背を向けてそう告げて、レミリアは足早に立ち去った。 歩きながら掴まれた腕を撫でて、そうした自分に何故だか苛立って、大きく息をつく。 「レミリア、帰るの?」 「ええ。またね」 「○○さんにはいいの?」 「さっき声をかけたわ」 言った後に、何だか妙に笑顔な霊夢を見て、また苛立つ。 「何よ?」 「いいえ。何だか、気に入ったみたいね」 「そういうわけじゃないわ。面白いとは思っているけど」 「そう」 霊夢はそれだけしか言わなかったし、レミリアもそれに返さなかった。 それでも、それでも。 咲夜を呼んで神社を後にしながら、彼女は心の中だけで呟く。 どうして、私は。 「お嬢様?」 気にかけるように声をかけてきた咲夜に一つ首を振る。 「いいえ、くだらないことを思い出しただけ」 本当にくだらない。 あの手の感触を忘れられないのも、あの表情を忘れられないのも。 「本当に、くだらないことよ」 それだけを呟いて、彼女は夜明け前の空に飛び立った。 そして彼女は、とある運命の糸を手繰る。 くるりくるりと、狂り狂りと。 無意識のうちに手繰りだす。 悪戯に手繰れば、詩を織り死を織る織り糸を―― ──────── 逢瀬、開花篇 それが形になるまでは、かなりの時間を要した。 想いというのはなかなかどうして、自分で気が付くには時間がかかるもので。 ただそれを身で持って体験することになるとは――彼女達も思わなかっただろう。 「あら」 花屋でいろいろと物色している○○に、いきなり声がかけられた。 「ああ、幽香さん。こんにちは」 「ええ、ごきげんよう。花を選んでいるの?」 「はい」 「いいところを選ぶわね。ここの花屋の子達は生き生きしているわ。自然のものには敵わなくてもね」 ふむふむと頷く○○を、他の客達は不思議そうに離れて見守る。 彼の話している相手が一番の原因。四季のフラワーマスター、風見幽香。泣く子も黙る大妖怪である。 なのに普通に会話しているとは何事かと。 「あの吸血鬼へのお土産かしら?」 「あ、ええ、まあ。手ぶらというのもなんですし」 恐れる風も無く、○○はのんびりとそう返す。その様子に幽香は微笑って、幾つか花を指す。 「これがいいわね。後、その花とこちらのも」 「え、あ」 「どうせ花の選び方なんて知らないんでしょう?」 「あー、はい。今もそれで悩んでて」 「だから私が選んであげると言っているの。わかった?」 「ありがとうございます」 丁寧に礼を返す○○にまた可笑しそうに笑って、幽香は選んだ花を包ませた。 山百合、アガパンサス、カスミソウ……まだ蕾が開ききっていないものもあるが、いずれも旬の花で、美しさは際立つもの。 それなのに決して華美に走り過ぎない様は、花には疎い○○にさえ感嘆のため息を吐かせるものだった。 「本当にありがとうございます。僕一人ではこんなに綺麗にできなかったです」 「いいえ、私達もまた愉しんでいるのだから」 「は?」 「何でもないわ。さ、行きなさい」 怪訝に思ったものの、幽香からは楽しげな雰囲気こそ伝わってくるが、悪意はないようなので有り難く厚意を受け取って○○は紅魔館に足を向けた。 それは、幻想郷の大妖達にとっては愉しい暇潰し。 彼女達にしてみればまだまだ若い吸血鬼と、彼女が気に入った変わり者の人間の青年。 妖を恐れぬその外の青年を、彼女達もまた気に入っていたし、彼が何をやらかすだろうかと楽しみに待っていた。 半ばは暇潰し、半ばは好奇心から―― 「どうも、こんにちは」 「あ、いらっしゃい。お嬢様がお待ちですよー」 美鈴はそう声をかけて、○○の持っている花束に目を止めた。 「花束ですか、綺麗ですね」 「ええ、手ぶらで来るのも申し訳ないなあと思いまして」 「いいんじゃないですか? きっと喜ばれますよ」 「だといいのですが」 では、と挨拶して、○○はさらに中に進む。 だいぶ慣れてきた紅魔館の中庭を通り、館内に足を踏み入れた。 「あら、いらっしゃい。お嬢様がお待ちよ……って、今日は花束なのね」 「ええ」 ○○の持っている花束を見て、ん、と咲夜が首を傾げる。 「……○○さんは、花言葉に詳しかったかしら?」 「あ、いえ、バラとかカーネーションくらいしか。何か拙いものありました?」 「ああ、いいえ、そういうわけじゃなかったの。大丈夫よ、悪い意味のものはないわ」 「なら良かった……何か意味があるものが?」 「そうね……山百合とか」 「どのような?」 「『荘厳』、『威厳』ね」 「ん、では良い意味ですね。良かった良かった」 ほっと胸を撫で下ろしている様子を見て、咲夜は微笑に近いものを浮かべる。何と無邪気なんだろう。 というか、平然と紅魔館に尋ねてこれるだけの度胸があって何を今更という感はあるのだが。 「じゃあ、これは飾っておくわ。お嬢様はこちらよ」 案内されながら、○○はこちらに視線が集まっているのを感じ首を傾げた。 見回すと、妖精メイド達がたまにこちらをちらちら見ている気がする。 「あー、僕、何か悪いことしてますか?」 「ん? あ、気にしないで良いわよ。珍しいのよ、お嬢様を恐れない人間が」 「んー、恐怖心は不思議とないですねえ、そう言われれば」 ふむ、と首を傾げて、○○は朗らかに笑う。 「まあ、第一印象の影響は大きいと言いますし」 「確かに、険悪ムードではなかったものね……」 だからこそお嬢様も気に入ったんだろうけれど、と呟いて、咲夜はティールームの扉をノックした。 室内に通されて、○○は中で待っていた館の主に一礼する。 「こんにちは、レミリアさん」 「いらっしゃい、○○。あら、今日は花なのね」 「ええ」 咲夜が飾る花を見て、レミリアは少し目を細めた。 「趣味は悪くないわね。貴方が選んだの?」 「あ、いえ、さすがに花の見立ては出来なくて」 「まあ、そうでしょうねえ……」 何となく、そういったことに疎いと言うのはわかる気がして、レミリアは頷いた。そして、○○に椅子を勧める。 「お店で見立ててもらったんですよ。たまたま幽香さんに会って」 座って、○○が告げた一言に、レミリアは微かに目を見開いた。 「……幽香、って、風見幽香?」 「はい」 「……私が言うのも何だけど、貴方は度胸があると言うか何と言うか……」 呆れた後、花束に視線を向けて、小さくため息をつく。 「それに、女性に花を贈るのに、誰か他の女性に選んでもらったことを告げるのは無粋じゃないかしら?」 「あ、それは……すみません、気が付かなくて」 ○○は率直に頭を下げた。その様子に、レミリアはくすくす微笑う。 「そこまで咎めているわけじゃないのよ、気にしないで」 「でも」 「いいの。それに、この花は気に入ったわ」 妖怪同士のパワーバランスなど、○○が知るはずもないだろう。 ここに来てまだ一月も経っていないし、それに何より普通の人間が興味を持つことでもないからだ。 逆に、妖怪が人間に興味を持つ、というのもあまりしないのだが。 だからこそ、何故幽香が彼の手助けをしたのか、その辺りは気になるところだが――まあ、気紛れ程度だろう。 強い妖怪ほど、妙な気紛れを起こすことが多い。 「それは良かった」 「……嬉しそうね」 「渡した相手が喜んでくれたら、それは嬉しいですよ」 「誰かに選んでもらったのでも?」 「え、あ、それは、えと」 意地悪く笑ってやると、面白いように慌てる。それを楽しみながら、レミリアは紅茶を口に運んだ。 「……ふふ、面白いわね」 「……からかわないでください」 「貴方が子供みたいなのが悪いのよ」 そう、まるで子供。見ていて飽きなくて、からかうと楽しくて。 まあ、先日の宴会の席でのことを謝られたときには、さすがにこちらもどういう顔をして良いのかわからなかったが。 腕を掴んだ非礼を何度も謝る姿を、酔っ払ったはずみのことだ、とあしらったけれど。 それからだろうか。時々来ては、レミリアにこうして手土産を持ってくるようになったのは。 だから、尋ねてみた。 「こうして持ってくるのは、今でも詫びのつもり?」 「んー……最初はそうだったですけれど、今は違いますよ」 「違う? どう違うのかしら?」 「ん、人の家を訪ねるのに、手ぶらは失礼かな、って」 それはおそらく本心で、レミリアは得心したように頷いた。 「まあ、いいわ。悪い気にはならないもの」 「今度は何が良いですかね、何かお菓子でも作ってきましょうか」 「あ、いいわね。この前のクッキーはフランも気に入ってたみたいだし。まあ、咲夜には劣るかもしれないけど」 「精進します」 楽しそうに、嬉しそうに笑う彼の姿を、テーブル越しにレミリアは眺めた。 次の約束をしたことには、気が付かないことにして。 彼が、紅魔館を訪ね始めて、もう一月近くが経とうとしていた。 初めは週に一日二日だったそれが、徐々に日数を増やしていったのはどうしてだったか。 誰も、気にも止めなかったことだったけれど。 それでも、確実に、何かは重なっていっていた。それが何かは、わからずとも。 「なかなか咲かないわね、この花」 パチュリーは読んでいた本から顔を上げて、アガパンサスの蕾を眺めながら頬杖をついているレミリアを見た。 アガパンサス。開けば美しい姿を惜しげもなく晒すであろうその蕾は、まだ固く結ばれたままだ。 「あらレミィ、それなら咲夜に頼めばいいことじゃない?」 「それでは風情がないわ」 「そう。私はてっきり、○○さんの持ってきてくれたものだからかと思っていたけど」 その一言に、レミリアは意識したのか無意識かばさりと一度だけ羽をはためかせた。 「別に、そういうわけじゃないわ。どうしてかな、って思っただけ。この花だけじゃない、○○が持ってきた中で咲いてないのは」 そう、そうなのだ。一週間程前に○○が持ってきた花は、いずれも咲いていたか間もなく咲き、今は土に還っている。 だが、この花だけは頑なに蕾を閉じたままだった。 「……花にも想いがあるのかしら……レミィ、花言葉に興味は?」 「ないわよ。覚えようと思えば覚えるけど、その必要がないんだもの」 「確かに、レミィらしいわ」 パチュリーはそう頷く。吸血鬼は夜の者。夜は妖以外は大抵のものは眠りにつく。それは花も例外ではない。 花にも月下美人や夜来花など例外はあるが、それでも大抵は咲かないものだ。 レミリアも花は嫌いではないだろうが、花言葉まで詳しく興味を持たないのも当然だろう。 「どうしたの、パチェ?」 「いいえ、特に何というわけでもないの。レミィも○○さんも疎い方向が似てると思って」 「む、○○と一緒にしないでよ」 「あら、嬉しいんじゃないの?」 パチュリーの揶揄に、レミリアの羽が慌てるようにバタバタと揺れる。 「そんなわけないじゃない」 声だけは平静を保って、レミリアは顔を背けた。 「第一、これ持ってきたのも、ついでのご機嫌伺いでしょう? 用件はパチェの蔵書整理なんだから」 「そうかしら?」 「どういうこと?」 「彼、レミィに逢うために来てる気がするけれど。特に最近。私の方がむしろついででしょう」 その言葉に、レミリアの羽が音を立てて開く。 「馬鹿なこと言わないで、パチェ」 そんな親友の声にも気にした風もなく、パチュリーはカップを手に取った。 目は口ほどに物を言う、というけれども。 (レミィは全身、かしら) パチュリーは紅茶を口に運びながら、そんなことを思った。 アガパンサスのように、まだまだ固く閉じた蕾に。 ○○が訪ねてくるのは、大抵夕方くらいであった。 日が沈む前。まだ妖怪が蔓延り始める時間の前。 帰りはとっくに日が沈んだ後だったから、誰かが送っていくようになっていた。 いつしか、それが当然になっていった。 ある日訪ねてきていた○○は、目の前で気だるげな様子を見せていたレミリアに首を傾げた。 「どうしました?」 「んー……今日は新月でしょう? 調子が上がらないのよ、どうしても」 妖怪は月の満ち欠けに左右される。吸血鬼たる彼女も例外でなく――むしろ、その二つ名に月を関するからか、影響は大きい。 「ああ、そうか。では、今日お訪ねするのはご迷惑でしたか?」 「そうでもないわ。こういう日は出かける気にはとてもならないから、暇潰しには丁度良いし」 「それなら良かった」 そう微笑う○○とレミリアの前に、紅茶が置かれる。咲夜が新しい紅茶を持ってきたのだった。 「咲夜、それは?」 「○○さんが持ってくださったものですわ。良い葉が入っていたそうで」 「ん……いい香り。いいわね、紅茶は。こういう日には特に」 レミリアは一口飲んで、一つ息を吐く。じわりと身体の中が温まっていくのはいいものだ。 「気に入っていただけたようで何よりです」 「ええ。咲夜、パチェにも持っていってあげて」 「はい」 すっと一礼して咲夜が立ち去る。 しばし二人で歓談していたが、不意に、レミリアが小さな欠伸を漏らした。 「ん……」 「眠いですか?」 「んー……少し早かったからね」 レミリアの目の端に浮かんだ涙を、○○が手を伸ばして拭う。 「あー……僕が来るのが早すぎますか。まだ陽が落ちてないですし」 「そういうわけじゃないわよ。起きる時間は私の自由だから」 「お訪ねするときはもう少し遅い時間にしましょうか?」 「それだと貴方が危ないでしょう」 申し訳無さそうな表情の○○に呆れていると、咲夜が戻ってきた。 「お嬢様、○○さん、お話中申し訳ありません。パチュリー様が少し○○さんをお借りしたいと。外の本のことで訊きたいことがあるそうで」 「別に良いわよ」 「では、失礼します。また後で戻ってきますね」 部屋を出て行く○○を見送って、咲夜が新たに紅茶を注ぐのを眺めていて――ふと、気が付いた。 …………さっき、私は一体何をされた? 小さな、礼を失しない程度の欠伸。生理的に涙が滲むのは仕方ないとして――その後。 彼は、○○は、自分に触れなかったか? 自分に触れて、涙を拭って――いくら新月で気だるくなっていたとしても、そこまで、無防備になっていたつもりではなかったのに。 「お嬢様?」 「何でもないわ。身体がだるいだけ」 咲夜に誤魔化しながら、手の甲を頬に当てるように頬杖を付いた。 何故ここまで慌てるのか、ここまで乱されるのか。わからないまま、レミリアは咲夜が入れた紅茶を手に取る。 自分が○○に対して警戒を解いている? いやそんなことはないはずだ。 そもそも、乱される、とはどういうことか。そんなことを一瞬でも思ってしまうなんて。 「……レミィ、表情が目まぐるしすぎよ」 結局、少し時間が経って○○と共に入ってきた親友の、心底呆れたような声がするまで、レミリアは自分自身を持て余していたのだった。 少しずつ、彼の訪れる時刻が遅くなって。 少しずつ、帰る時刻も遅くなって。 当然ではないはずのそれに気が付かない振りをしていたのは、誰だっただろう。 博麗神社。住み込みの青年は、今日も今日とて神社の仕事をしていた。 拾ってもらった恩は返さねばと、出来ることはやっている。 「○○さん、今日も紅魔館に行くんじゃなかったっけ?」 霊夢に声をかけられて、はい、と返事をする。 「ただ、あまり早いと、どうやらレミリアさんの睡眠の邪魔をしてしまうようで」 「そこまで気を遣う必要はないと思うけど」 それでも、と、霊夢は思う。この人は気を遣って時間を遅くしていくのだろう。 「とりあえず、御札多めに持って行ってね」 「はい。ありがとうございます」 心配することは、一応ないはずだ。気になることがあると言えば、レミリアとの関係がどうなっていくのかというところ。 まあそれもせいぜい好奇心と暇潰し程度のものなのだが。 「○○さんは、レミリアを気に入ってるのね」 「……かも、しれません。不敬かもしれないですが」 少しだけ手を止めて、○○は笑う。 「でも、楽しいんですよ。話したりしていると」 「楽しい、のね」 「ええ、きっと」 今はまだ形にならぬ思いは、それでいいのかもしれない。 「……? どうして霊夢さん、楽しそうなんですか?」 「ちょっとね。面白いことがあると楽しくなりはしないかしら?」 「ああ、確かに楽しくなりますね」 暢気に答える青年は、自分がその対象とも思っていないのだろう。 「まあ、気をつけて行ってらっしゃい。晩御飯は済ませておくから」 「ええ、お願いします。下拵えはしてるので」 「相変わらず準備良いわねえ」 いつの間にか兄貴分のようになってしまった青年に微笑いかけながら、霊夢はふと考える。 彼は、もしかすると、もう外には帰らないのかもしれない。 「どうしました?」 「ううん、何でもないわ。そろそろ行かないと、レミリアが煩いんじゃない?」 「大丈夫ですよ。ああでも、そろそろ準備しないと」 まあ、それでもいいか。 準備をして出かけて行く○○にお札を渡して、腰に手を当てて見送りながら霊夢は思った。 彼女は意識したことはないが、きっと、それが自由なのだろう。 その日の訪問は、約束されたもので。 約束していたから、その約束を彼が守って来るのも当然で。 だから、その日に起こったことは、きっと。 何かに運命められていたのだろう。 それを、認めたくは、なかったけれども。 そして、夜も更けた頃。いつもの通り訪ねてきた○○を迎えて、話をしていた最中。 ふと、レミリアは思い当たることがあって○○に尋ねた。 「そういえば、○○の血はまだ飲んだことなかったわね?」 「そう言われればそうですね」 そうなのだ。初めて逢ってからもう二ヶ月も経とうと言うのに、レミリアはまだ○○の血を飲んだことはなかった。 「どうしてかしら……ああ、○○が私を恐れないからか」 「?」 「私は私を恐れる者の血しか飲まないの。○○はちっとも私を恐れようとはしないから」 「あー……ごめんなさい」 「そこで謝られてもね……」 どこかずれた会話をしながら、レミリアは○○を手招いた。 「はい?」 「物は試し、よね」 ○○が近くに寄ってきたのを見計らって、立ち上がって彼の襟元を持って引き寄せる。 「えー、と。これは、食べられる形ですか」 「大丈夫よ、殺さないから」 「……はい」 神妙にした彼に、よろしい、と言ってから、レミリアは彼の首筋に牙を当てた。 瞬間、どくり、と心臓の音がする。○○の胸からの、高い鼓動。 それは畏れ。それは畏敬。血を吸うのに辺り、とても心地の良い感覚。 「面白いのね、○○は」 「え?」 牙を離して、○○の耳元で囁く。 「こういうときにだけ、私に対して畏れるのね」 「……畏れ多い、と言いましょうか」 くすくす微笑って、レミリアは再び○○に牙を当て、突き立てた。 甘い。 口内に広がった味に、レミリアは気を取られる。 「ん……ふ、うっ……」 最近は紅茶で済ませていて、こうして飲むのも久々のような気がして。 だから。 「う……」 その声がするまで、気が付かなかった。 苦しそうな○○の呻きを耳にして、レミリアは慌てて飛び退った。 零れた血がレミリアの服に滴り、赤く染めていく。 「お嬢様?」 控えていた咲夜が尋常でない様子に驚いて駆け寄り、とにかくナプキンをレミリアの口元に当てた。 「どうなさいました?」 「大丈夫、何でもないの、何でも」 レミリアはそう言うと、一つ大きく息をついて○○を見つめる。 「あ、うう……」 当の○○は、ふらふらとバランスを崩すと、その場に倒れ込むように床に手と膝を付いた。そのまま、ゆっくりと片膝を立てて座り込む。 「あ……お気に召しませんでしたか?」 だが口にした言葉はそんな言葉で、レミリアは驚く前に呆れることになる。 「……貧血でふらふらなのに、よくそんなことが言える」 「あー……これが、貧血ですか……」 貧血になったことがなかったらしい。その感覚は確かにレミリアにもわからないが。 頭がくらくらしているらしい○○に近寄り、顔を覗きこむ。 「少し飲みすぎたかもしれないわね」 「……では、少しは舌に合いました?」 「…………そうね」 良かった、と微笑う○○からレミリアは視線を外し、咲夜、と呼びかけた。 「客室を用意して。この様子では帰れないでしょうから」 「はい」 「あ、でも……」 何か言いかける○○に首を振る。 「私が飲みすぎたのが原因だから。今日は大人しくしていなさい」 「はい……すみません」 すまなそうに微笑う○○から目を逸らしたかったのに、何故か逸らせなくなって。 決定的な何かを口にする前に、咲夜が戻ってきたのは、果たして救いだったのかどうか。 「○○は?」 「美鈴に運ばせて客間に。もうほとんど気を失っているような状況でしたが」 「ん、それならいいの」 咲夜の報告を聞きながら、○○の血が付いた服に手をかける。その血を見ながら考える。 自分らしくもない、醜態。 飲んでいるうちに、我を忘れるなんて。 「お嬢様」 「ああ、ありがと、咲夜」 手が止まっていることに気が付いたか、咲夜がレミリアの着替えの手伝いをする。 ○○の血は甘かった。甘いだけでなく、そう、完全に、レミリアの好みの味、であった。 だから、蕩けるような気分になって、それでつい飲みすぎて。 でも、たぶんそれだけでなく。 「ありがとう、咲夜。もう休んで良いわ」 「ですが、まだお着替えが途中ですけれども」 「後は自分でやるから。それと、○○が起きたら起こして頂戴」 「わかりました。お休みなさいませ、お嬢様」 「ええ、お休み」 咲夜が出て行くのを見てから、レミリアは寝着も纏わずにベッドに身を横たえた。 ○○の表情と、声と、存在と、全てが彼女の中でぐるぐると巡って。 あの宴会の時触れられた腕も、何気なく触れられた頬も、それを思い出しては、変な気分になって。 そして、先程の行為がきっと引き金になってしまった。 「私は……」 呟いて、言葉にするのを躊躇って。心の中だけで。 ああ、私、は。私は、彼に。 客間に運んでもらって、○○は切れ切れの声で礼を述べていた。 「ありがと……ござい、ま……」 「ええと、あんまり話さないほうが良いですよ? 明らかに血が足りてませんし」 美鈴が呆れたように腰に手を当てて、ベッドに放った○○に声をかける。 「まあ、ゆっくり休んでてください。私はまた門に戻りますので」 「はい……ど、もです……」 「律儀ですねえ。では」 それだけ言って、美鈴は部屋を出て行った。 ベッドに横たわって、○○は考える。 今までの彼女との会話と、表情と仕草と。それを思い返して。 そして何より、先程のことを、自分の血を吸った、彼女のことを思い出して。 今は、頬が熱くなるほどの血が足りないけれど。心だけは。 「駄目だな、本当に」 ぼやくけれど、おそらくもう、遅い。 そう、僕、は。僕は、彼女に。 ――どうしようもなく、惹かれてしまっているのかも、しれない。 次に○○が目覚めたのは、もう昼も過ぎた後。 慌てて飛び起きて、自分の状況を把握するのに数分かけて、やはり慌てて部屋を出る。 「あら、おはようございます、○○さん」 「おはようございます……ではなく! 僕は一体どれだけ……」 慌てる○○に、咲夜は首を振って笑う。 「大丈夫よ。霊夢には連絡しておいたから」 「す、すみません……こちらにもご迷惑を」 「それも大丈夫。そもそもお嬢様がお決めになったことなんだから」 そこまで言って、そうそう、と続ける。 「お嬢様を起こしてきてくれないかしら? ○○さんが起きたら起こしてくれって言ってたし」 「え、僕がですか?」 「丁度いいでしょう? 私は紅茶を用意してくるから」 「は、はい……」 咲夜に言いくるめられる形で、○○はレミリアの部屋に向かう。 辿り着いて、軽くノック。音沙汰がなくて、もう一度叩いてみた。 「んー……入っていいわよ……」 「失礼します」 「え、○○?」 驚くような声と、○○が扉を開けて入ったのは同時。 「あ…………」 絶句した○○の視界に入ったのは、上掛けを引き上げただけで、何を身に纏っていないレミリアの、白い―― 「し、失礼しましたっ!」 慌てて飛び出した○○を、起き抜けから羽を最大限に広げて硬直させるほど驚く破目になったレミリアが見送っていた。 さすがに、想いを自覚した直後にこれは、互いに刺激が強すぎて。 しばらく扉の中と外で、軽いパニックに陥っている二人の姿があった。 ほぼ同時刻―― 「あら咲夜、レミィはまだなのね」 「パチュリー様。今○○さんが呼びに行っているので、間もなく来られるはずですが」 そう、とだけ応えて、パチュリーはティーテーブルに視線を移し、目を細めた。 「咲いたわね」 「え、ああ、アガパンサスですか。はい、今朝に」 「そう、ついに咲いたのね」 咲いてしまった、とも言うべきかしら。 パチュリーは口唇の中だけでそう言うと、親友達が来るまでの短い時間の読書を始めた。 アガパンサスは咲いた。 それはどちらの想いを咲かせたものなのか。 その開花がどうなっていくのか、結末に何が訪れるのか。 それは博識の魔女にもわかることはなく。 ただ今は、その花を眺めることだけしか出来ることはなかった。 本来後書は蛇足なのですが、あえて説明をば。 劇中のアガパンサスの花言葉の意味ですが、『恋の訪れ』を意味します。 説明自体が野暮かもしれませんが、とりあえず。 ちなみに山百合は劇中以外に『純潔、飾らない愛』を。 カスミソウは『魅力、無邪気』を意味します。これらも一例に過ぎませんが。 さらに蛇足となりましたが、花言葉説明は以上とさせていただきます。 ────────────────── 告白、瞑想篇 その妖恋譚がどのような展開を見せるのか。 友人の鴉天狗に突かれて、彼が大慌てしたのがあっという間に記事になり。 少なくとも、青年の側の想いは幻想郷中の者の知るところとなる。 それに乗じて、彼らの動向に、茶々を入れるか静観するか、とにかく各々が愉しむ準備を始めていた。 そして、○○が紅魔館に入り浸っていることは、もう万人の知るところだった。 陽が落ちる頃に紅魔館に行き、陽が昇る頃に帰る。 毎日ではなかったが、週の半分はそうしていただろう。 名目だけは未だに紅魔館図書館の手伝いだったが、本当の目的は明らかだった。 それでも、誰も止めなかった。止める気も止める必要もなかったから。 「お嬢様、○○さんがいらっしゃいました」 「ん、通して」 「今、呼んで来させております」 咲夜の言葉に頷いて、レミリアは一つ首を傾げた。 「咲夜、何か面白いことでもあったの?」 「え?」 「何だか楽しそうだけど」 「いえ、それはきっと、私ではなくお嬢様が楽しそうだからですよ」 「な、そんな、私は別に」 レミリアが慌てた瞬間、扉をノックする音が聞こえ、うっかり慌てたまま許可を出す。 「お連れ致しました」 「ご苦労様」 妖精メイドは慌てているのには気が付かなかったようで、普通に○○を通した。 「こんばんは、レミリアさん、咲夜さん」 「ええ、良い夜ね」 メイドを下がらせて、咲夜に紅茶を淹れるように命じると、レミリアは彼に椅子を勧めた。 もう慣れたいつものこと。そう、知らず知らずに慣れてしまった状態。 「今日は何の話をしてくれるのかしら? この前の外の話は面白かったわ」 「では、そうですねえ。向こうで読んだ物語の話でも」 記憶が曖昧とは言え、彼の中の見聞きした全ての知識が喪われたわけではなく。 だからその話を聞くのも、レミリアの密かな楽しみになっていた。 「それで続きは――ああ、咲夜、貴女も一緒に付き合いなさい」 「はい。ですが、よろしいのですか?」 「何を言ってるのよ。咲夜も一緒が良いの」 レミリアの可愛らしい我儘に、咲夜は微笑んで従った。 無論、主と友人に、飛び切りの紅茶を用意して。 「○○は今夜はどうするの?」 「ああ、夜明けまで居るつもりです。途中仮眠は取ってしまうかもしれませんけど、とりあえず朝までは」 「里の仕事とか神社とかはいいの?」 「仕事は午後からに回してもらってますから。軽く仮眠を取れば動けます」 そう朗らかに応える○○を少し眩しげに見た後、レミリアはカップをソーサーに戻そうとして、カチャリ、と音を立てた。 「お嬢様?」 「ん、いいえ、何でもないの」 咲夜の言葉に首を振って、レミリアは○○に視線を戻した。 「じゃあ、さっきの話の続きが聞きたいわ。夜はまだ長いしね」 「ええ、それでは――」 話し始めた彼の様子を、楽しそうにレミリアは眺めていた。 その様子は誰が見ても楽しそうで、ささやかに幸せそうで。 恋人同士という形ではまだないにしろ、時間の問題だろうと周りは勝手に考えていて。 不謹慎ながら、賭けまで行われていたりしていて。 だから誰も知らなかった。 吸血鬼の少女が夜毎朝毎、とある運命の情景に苛まれていたことに。 うららかな昼過ぎの神社。掃除をしている霊夢に向けられた声があった。 「霊夢ー」 「あらレミリア、咲夜、早いわね」 今日は神社で宴会。○○が幻想郷に来て大体二ヶ月と言うアバウトな集まりなのは、ただみんな酒が飲みたいだけなのかもしれない。 というか確実にそうだ。人数が半端ではないはず。幹事の魔理沙と萃香の張り切り故か、今回は方々から来ることが決まっている。 「たまには一番乗りもいいでしょ?」 「一番は私よ――ってそれはまあいいや。○○さんなら買い出しに行ってるからいないわよ?」 「そこでどうして○○が出てくるのよ?」 レミリアは日傘を咲夜に渡して、縁側に腰掛けながら霊夢を軽く睨む。 「あら、○○さんがいるから早く来たんじゃないの?」 「違うわよ、そんなのじゃないわ」 ふい、と顔を逸らしたレミリアに、咲夜からお茶が差し出される。 ありがと、と受け取るのを横目に、霊夢はため息をついた。 「まったく、何で人の家でわざわざお茶飲んでるのよ」 「いいじゃない、今日は宴会なんだから」 理由になっていない理由を口にしながら、レミリアは湯のみに口を付けた。 丁度そのとき、空から影が降りてくる。ざっ、と良い音をさせて降り立ったのは当然というべきか、霧雨魔理沙であった。 「あれ、早いな。私が一番乗りかと思ったんだが」 「たまにはいいでしょう?」 「ああ。だが、○○ならもう少しかかるぜ? 今石段上がって来てたからな」 「どうして誰も彼も○○のことを私に言うのよ」 レミリアが呆れたように魔理沙に言い返す。 「あれ、違うのか? てっきりあいつがいるから早く来たのかと」 「違うわよ」 そう言いながら茶を啜っていると、リズム良く石段を登る音がして○○が帰ってきた。 「おかえりー」 「ただいまです。ああ、魔理沙さんはさっき飛んでくのを見ましたが、レミリアさん達もいらっしゃってたんですね」 「ええ」 「ああ、レミリアならお前に……」 言いかけた魔理沙の口に手近にあった煎餅を突っ込んで、何事もないようにレミリアは○○に話しかける。 「買い物とはご苦労ね」 「まあ、居候ですし。宴会の準備も僕の役目ですよ」 「あら霊夢、そうなの?」 「○○さんが準備と片付けやってくれるから大分楽になったわよ」 「……○○さんだけやってて貴女は何もしてないんじゃないかしら?」 咲夜の言葉は真実なのだが、霊夢は素知らぬ顔だ。○○も気にした素振りはない。 「里の人に、お茶菓子を幾つかいただいたんですよ。料理作っている間、みなさんはそれでも食べてお茶飲んで待っててください」 「……本当に一人でやるつもりなのね」 宴の参加者が少しずつ集まり始め、料理も有志によってほとんど完成していた。 始まる前、何回かレミリアが台所に様子を見に行っていたのを、何人かは見てないことにしてやっていた。 本人を突付いても『咲夜が遅いから』と言うに決まっているのも、わかっていたから。 そして――宴が始まる。 「ねえ、○○、少し訊いていいかしら?」 「はい、何でしょう?」 宴会の席。輝夜に問われ、○○は首を傾げる。 「最近吸血鬼にご執心らしいけど、上手く行ってるのかしら?」 「っ!?」 丁度盃を傾けていたということもあり、思い切りむせてしまう。 「あらあら、大丈夫?」 「は、はい、ありがと、ごほ、ございます」 幽々子に声をかけられ、大丈夫だと言葉と素振りで○○は示した。 「姫、御戯れが過ぎますよ」 「いいじゃない、古今東西、色恋沙汰は楽しいものよ」 「その通りね」 輝夜を嗜める永琳に、同意する紫。 「この前のアガパンサスは無事に咲いたようね」 くすくす、と微笑うのは幽香。意味がわからず、○○は再び首を傾げる。 「おやおや、意外と鈍いと見える。ほら、一杯どうだい?」 「ああ、どうも」 「見たまま、かもよ、神奈子」 二柱の神、神奈子と諏訪子もそう楽しむように○○に酒を勧める。 「それにしても、これだけの面々を見て普通に酒を呑める○○はやっぱり変だねえ」 「そうですね。本当に取材のし甲斐のある人間です」 そう笑うのは萃香と文。 そう、なのだ。 宴会が始まり、座に付いて気が付いたときにはすでに、彼は周りをそうそうたる面々に囲まれてしまっていたのだ。 「……言われてみれば、そうなのかもしれないですねえ」 ○○自身は泰然と、あるいはのんびりとしたものだった。 そもそも外の人間。そう大きな問題とも捉えていないのだろう。 それが大妖や神々にはまた面白いのか、何人かが楽しそうに笑い声を立てた。 「いいの、レミリア?」 「何が」 「○○さん呼んでこなくて。というかあんた不機嫌過ぎよ」 何とも言えないオーラを全身から醸し出しているレミリアに、霊夢が呆れた声をかける。 「別に良い。楽しんで飲んでるなら」 「絵に描いたような不機嫌だな、お前」 魔理沙も呆れっ放しである。その隣では上海人形や蓬莱人形が微妙に怯えていて、アリスはそちらを宥めるだけで会話には突っ込まない。 「レミィも混じってくれば良いのに」 「嫌よ。何でわざわざあんな中に行かなきゃいけないの」 すっと咲夜にグラスを差し出し、そこに注がれたワインを飲んで、レミリアは不機嫌そうな視線を一瞬だけ動かした。 その瞬間、ぐぐっと重圧が掛かったかのようにがらりと空気が変わって、一瞬全員が身構える。 まさに今レミリアが見た方向から、恐ろしいほどの妖気。殺気。 「……あいつら、一体何を」 「何やってんのよ、○○さんを食べる気なのかしら?」 「幽々子様まで一緒になって……」 「………お嬢様?」 驚くか呆れるかしている面々に、更なる別の重圧が掛かる。今度は至近。 思わず振り返った数人の隣を、大きく羽を広げたレミリアが通っていく。 「………………行って来る」 「ええ、行ってらっしゃい」 本をはらりとめくりながら、巫女と共に二人で動じていなかった魔女が、親友を送り出す言葉をかけた。 少し時間は戻る。 幾分か酒を酌み交わしている中、不意に紫が声をかけてきた。 「本当に貴方は不思議ねえ。吸血鬼に執心してるのもそうだけど。本来人間と妖怪は、互いに退治と捕食を成すものというのは知ってるのよね?」 「ええ、一応は」 「ならば――」 「――どうして、貴方は此処に居ても平然としていられるのかしらね?」 がくり、と胡坐に乗せていた手が地に付きそうなほどの威圧感が、○○を襲った。胡散臭い微笑で、紫は楽しそうに眺めている。 「あらあら紫、駄目じゃない。脅かしちゃ」 そう言う幽々子も、表情は微笑っているが、纏う空気の質が澄んだものに変異していく。 「あんたらは全く……」 呆れた声をあげながらも、くすくすと微笑んで幽香も自身の妖気を上げていく。 「おやおや、これから弾幕勝負でも始まるのでしょうか?」 「というか、戦争起こす気? 紫」 わくわくしている文と、やれやれと呟く萃香。だが、彼女達もまた楽しそうに周りに合わせて妖気を増幅させた。 「無粋ねえ」 「それでも、楽しいのですね、姫」 「ふふ、面白いことするじゃないか」 「戦争は勘弁だけどねー。それよりも弾幕の方が楽しいし」 微笑する月人達も神々も、各々の気迫をぶつけ合う。 ○○は動かない。動けない。卑小な人間の身において、ここで潰れてしまわぬのが不思議なほど。 がちがちと奥歯が鳴りそうになり、ぎりと噛みしめる。 怖くないわけがない。根源の恐怖。人間としては当たり前すぎて、そして彼もその当たり前に漏れなかった。 だが、彼はやがてぎこちなく笑むと、そっと手に握り締めていた盃を差し出した。 「……よろしければ、一つ」 「あら、意外ねえ。怖いのでしょう?」 意外そうにしながら、幽々子がその盃に酒を注いでやる。 「はい、怖いです。凄く怖い。今だって、自分でお酒を注いだら、みっともなく溢してしまうでしょう。 実際、震えも止まりません。手だって、ほら」 よく見れば、盃を持つ手はガタガタと震え、しっかりと盃を掴む手は白くなるほど力が入っている。 「ならば、何が貴方にそこまでさせるのかしら?」 「わからない、わかりません。でも、何と言うか、意地なのか」 「意地、ねえ。ふふ、貴方は本当に子供ね。しかも頑固な。大人に叱られて、でも絶対泣くまいと拳を握り締めてる子供」 そんな可愛いものでは決してない。これは喰われるか否か、殺されるか否か、の感覚だから。 「でも、これでわかったかしら?」 「は、い?」 「貴方が恋した吸血鬼も――」 「何をしている」 紫の言葉を遮るような声と共に、ばさりという音を立てて一つの影が○○の背後に立った。 こちらも、この場の雰囲気に負けず劣らず、あるいはそれ以上の気迫と妖気を出しながら―― 「レミリア、さん?」 「何をしていた」 「別に何もしてないわよ? ただお話していただけ」 「そんな、貴女の妹のように全てを壊しそうな雰囲気出さなくても大丈夫よ。別にその子に何をしようって訳じゃないんだから」 「どうだか」 疑わしそうな声を出して、レミリアは○○に視線を移し、すぐに逸らした。 「只の人間一人を脅して、何が面白いのかと思ってね」 「あら、別に脅していたわけじゃないわよ?」 「ここまでの妖気に満たしておいて、か」 一触即発とも言える空気の中、くすりと笑えたのは誰か。 「まあ、そう言うな吸血鬼よ。悪戯が過ぎたのは我らにもわかっておる」 神奈子であった。神の威厳というものか、そう、互いを牽制する。 「○○を脅して食べようとかそういうのじゃないから、安心しなよ」 神奈子に接ぐように、諏訪子もまた治めに回った。文がそれに便乗して、盃を掲げる。 「そうそう、私達はただ楽しくお酒を飲んでるだけですよ? ○○さんと一緒に」 「そうよ。それに、○○は貴女のものってわけじゃないでしょ?」 輝夜の言葉に、レミリアの気配が少しだけ揺れ動く。あるいはそれは、決定的な言葉だった。 「ああ、そうだな」 「そうよねえ。収まったところで、貴女もどう?」 やはり胡散臭く話を向ける紫を一瞥して、くるりとレミリアは背を向けた。 「いい。咲夜が居るから向こうに戻る」 「あら、残念ねえ」 本当にそう思っているのかいないのか、紫が残念そうな声を上げた。 レミリアが立ち去って、ようやく重圧の解けた○○が、立ち上がりながら紫に告げた。 「あ、の、紫さん」 「なあに?」 「すみません。レミリアさんのところに行ってきます。その、中座することになって申し訳ありません」 それと、と彼は言葉を繋げた。 「さっき、言いたかったこと、わかった気がします。でも、それでも僕は」 「いいわよ、行ってらっしゃいな」 ひらひらと手を振る面々に頭を下げて、○○はレミリアの後を追っていく。 それを見送って、ふー、と、萃香が伸びをして紫に声をかけた。 「紫ー、レミリアのこと、あんまりからかうと可愛そうじゃない?」 「だって楽しいんだものー」 「いいけど、恋する乙女は強いわよー。今だって、私達全員と戦う気だったわよ?」 幽々子の言葉に、紫はくすくすと笑う。 「だからこそ楽しいのよ」 「やれやれ、厄介な御仁だねえ」 「そういう神奈子も、止める気さらさらなかったでしょ」 「あんたもね」 「しかし、さっきの吸血鬼は見物だったわね。あんなに必死になって」 ふふ、と微笑む輝夜に、永琳も息をつく。 「ええ、本当に。でもむしろ見物だったのは○○さんの方かもしれませんけどね」 「そうねえ。あんなに怯えていたのに、吸血鬼が来た途端にほっとしちゃって」 幽香が盃を傾けつつそう断じた。 根源の恐怖に支配されていたからか、彼はとても、自分の周りの空気に対して敏感になっていて。 「そうですねえ。いやー、思わずシャッター押し損ねたのが悔やまれます」 「それは本当に後で焼かれるんじゃないかな」 それぞれ各々が勝手に会話をしていくうちに、先程の剣呑な雰囲気はいつしかいつもの宴会の空気へと解けていった。 追いついて、○○は大きな声を目の前の彼女にかけた。 「レミリアさん!」 「何、○○。あいつらと飲むんじゃなかったの」 「中座させていただきました」 「そう」 レミリアはふい、と前を向いてしまう。彼は一瞬迷ったが、大人しくレミリアの後ろに付いた。 「おー、落ち着いたか」 「あんたらが本気でやったら洒落になんないからね。ん、○○さんいらっしゃい」 「どうも」 ○○は挨拶し、座ったレミリアの隣に腰を下ろす。レミリアも特に止めなかったので、そのままそこに居座ることにしたようだった。 「どうぞ」 「ん、いただくわ」 自分に酌をし、そのときの彼の微笑にレミリアは心が一瞬躍るのと、不本意ながら機嫌が直るのを感じ、それを振り切るように杯に口を付けて―― 本来は、こうすべきでないことを痛感してしまった。 だって。何故なら。 このまま、私と共に居たら、彼は近いうちに必ず死んでしまうから。 その情景は、逃れ得ない運命のもなのか。 それは彼女しか視えず、彼女しか知らず。 そして彼女にも、彼の運命はそれしかわからなくなっていた。 そもそも、レミリアは近しくなればなるほど、余計にその者の運命を見なくなる。 咲夜、パチュリー、フランドール、美鈴、他の館の者達――大事であるからこそ、自身の操る運命の干渉を少なくする。 『いずれどうなるか』が解りすぎても、『その者がどうなるか』を知りすぎても、生きると言うことは楽しくないし、何よりレミリアの性に合わないから。 無論無意識に働くこともあるが、そのときは最善になるように努力している、つもりであった。 だからこそ、○○の運命が見えなくなっていたことに、レミリアは初め愕然とした。 自分の中で、そこまで大きな存在になったことを認めたくなかったから、かもしれない。 それでも。日々に募っていく想いは、それを否応無く実感させていた。 「○○、明日は来るのかしら?」 血を飲むために近付いてきて尋ねたレミリアに、彼は少し申し訳無さそうに微笑った。 「すみません、明日はちょっと。その次は来れますが」 「そう。まあ仕方ないわね……」 残念に思って、何故そう思ったのかは考えないようにして、レミリアは彼の首筋に牙を立てる。 心地よい感覚と甘さが、彼女を満足させた。彼から来る畏れもまた心地よい。 日課ではないが、彼が来たときには、レミリアは彼から血をもらうことにしていた。 別に強制ではなく、彼自身も別に構わない、という態度を示せばこそ。 そして、この行為が、レミリアがもう眠り、○○が帰っていくと言う合図。 「また、きます、から」 「ん、わかってるわ」 口を離して、牙の痕からまだ流れ出るのをぺろりと舐め取る。 控えていた咲夜に手当てをしてもらいながら、○○は不思議そうに首を傾げる。 「美味しいものですかね、血なんて」 「私は吸血鬼だからね。特に○○のは美味しいよ」 「それは光栄なのですけどね」 柔らかく笑う彼を、本来は拒絶すべきだったのかもしれない。 こうしている時にも、彼女の脳裏に過ぎるその情景は、おそらく少しずつリミットを知らせていたのだから。 それでも、彼女も紅魔館も、彼を拒むことは出来なかった。 「こういうの繰り返してたら、僕も吸血鬼になったりするんですかねえ」 「それはないわ。私が飲み干さない限り、○○は吸血鬼にはならない」 「そうですか」 なるほど、と頷く彼にとっては、それは些細なことなのかもしれない。けれども。 「少し、貧血が治まったら帰ります」 「ええ」 そう言いながらも、レミリアは結局、○○を見送るまで起きていたのだった。 好きなときに神社に居て、好きなときに里に居て、そして好きなときに紅魔館を訪れる。 そんな自由気ままな彼が、彼女にとっては愛しくて。 そうした、ありふれた人間であるはずの彼が近くなるのに心が躍って。 想いが強くなっていくのを止められなくて。 だからこそ、彼女は彼を眷属にしたいなどとは、思わなくて―― 故に、彼女は運命の情景に、さらに苦しめられることになった。 そして、彼が来るのを、彼女は拒めなかったから、なおさらに。 そんな、どうしようもないままに――その時が訪れた。 それは避けようの無いことで。 何よりも彼女はそれを避けたくて。 だから何よりも望んでいたその言葉を。 彼女は何よりも聞きたく無かった。 「どうしたの、○○?」 「え、と。今日は、お伝えしたいことが、あって」 夜半も過ぎた頃。いつもと様子の違う○○に、レミリアは首を傾げてみせた。 そうでなければいい、と思っていたし、今も思っている。 彼の口唇から、決定的な言葉が出てこないようにと。 「レミリアさん」 「何かしら」 「僕は、その、貴女のことが、好きです」 神妙な顔で○○が言った言葉に、レミリアは、しばらく瞑目した。 ああ、その言葉を想定していなかったら、自分は果たしてこの行動を取れていただろうか? 渾身の想いを込めて、背を向ける。 「だから、何だと?」 彼を目の前にして、この言葉を言えるとは、到底思えなかったから。 ただ威圧することを、拒絶することだけを念頭において、言葉を紡ぐ。 「貴方がそうだとしても、私は貴方のことを何とも想っていない」 一言一言をはっきりと、口にする。 その言葉が、自分の心をも傷つけていることにも気が付かず。 「……そう、ですか」 声は、微かに沈んではいたが、優しい声色で。 だからレミリアは、思わず振り返って――振り返ったことを後悔した。 寂しげで優しいその表情を見てしまったから、自分の中の何かが揺らいでしまうようで。 だから、彼女は、せめてと顔を背けた。 「……ああ、そうだ」 「……………はい」 こういうときに何を言えば良いのかわからないような戸惑う気配の後。 「…………それでは、今日はお暇します。また」 「………………ええ」 部屋を出て行く○○を、結局レミリアはもう見なかった。 そのことを後々、彼女は少し後悔することになる。 「あら、○○さん。今日はもう帰るの?」 「ええ、ちょっと」 館の玄関を開けて外に出ようとする○○を見つけ、咲夜は声をかけた。 「まだ夜明け前よ?」 「それでも。また、来ますので」 どこか落ち込んだような雰囲気に咲夜は何かあったことを悟ったが、追求はしなかった。 それは、何が起こったのかも、薄々察してしまっていたからかもしれない。 「わかったわ。とりあえず、見送りに出るから待ってて」 咲夜は身を翻すと、○○の前に立った。 「すみません」 「いいのよ。客人を見送るのもメイドの役目だから」 それでも、会話としては客人相手というより友人のそれに近い。 庭に出て、咲夜は見回りをしていた美鈴に声をかけた。 「美鈴、一つお願いしていいかしら?」 「あ、はい。何でしょう? あれ、○○さん帰るんですか?」 怪訝そうな美鈴に、咲夜は頷いて見せた。 「そうよ。だから貴女が送っていってくれないかしら」 「え、でも門は」 「誰かに任せておきなさい。いざとなったら私も出るし。○○さんもいいわね?」 「え、あ、はい」 とんとんと流れるように話を進めていく咲夜を止められず、○○はただ頷いているだけのようだった。 「では、送りますね」 「すみません、お願いします」 ○○が一つ礼をした時、咲夜の背後からパチュリーが現れた。 「パチュリー様」 「ご苦労様、咲夜。○○さん、今夜は帰るのね」 「……ええ」 「そう。とりあえず、これを渡しておくわ。落ち着いたら開きなさい」 メモの切れ端のようなものを渡されて、○○は首を傾げつつも頷く。 「ありがとうございます」 そして、美鈴を護衛として○○は紅魔館から立ち去っていく。 「咲夜」 「はい」 「レミィのこと、お願いするわ」 「はい、承知いたしました」 そう応えた咲夜の声には、単なるメイドとして以上の忠誠が溢れていた。 四半刻の後、テラスに出ていたレミリアは咲夜を呼んで、紅茶を淹れさせていた。 あの部屋に居続けることは、どうしても出来なくて。 「咲夜」 「はい、どうなさいました?」 レミリアは咲夜から紅茶を受け取りながら、ぽつりと呟いた。 「……○○に、好きって言われた」 「そうですか。返事は?」 「返事? それを必要とするの? 私は吸血鬼よ、そんなものいらないわ」 咲夜の反応はレミリアの望んだもので。だからレミリアは、そう言葉を続けた。 「共にはあれど、愛することなどない。彼はただの食糧に過ぎないし、無聊を慰める者に過ぎないのだから」 「それで、断られたのですか」 「……そうなるかしらね」 遠くを見ながら、紅茶に口をつけて、レミリアは息をついた。 そうでもしなければ、落ち着いていられないような、気がして。 「……吸血鬼を好きになるなんて、馬鹿なことを」 そう、馬鹿なことなのだ。人外に惹かれるなど。吸血鬼に恋するなど。 ああ、ならばきっと自分も馬鹿なことをしているのだ。人間なんかに想いを寄せてしまうなんて。 嘲ったのは、一体どちらのことだったのだろうか。 なおも遠くを眺めて、レミリアは小さく呟く。 「此処は、貴方を拒まない。拒めない、から」 だから、貴方はいつでも。届かない、届けられない言葉で、レミリアはもう見えない彼にそう告げた。 彼女の脳裏には一つの情景。一つの光景。 その心が芯まで凍り付くような錯覚を起こす、彼が物言わぬ骸と成り果てる情景。 何度も繰り返す悪夢。何度も繰り返す白昼夢。 もう見えなくなった彼の運命の、おそらくその一端。 彼が傍に来る度に、彼が近付いてくる度に、それは強くなって。 だから、彼女は彼を遠ざけた。遠ざけなければ為らなかった。 それが、ずるずると今の今まで来てしまったのは自分の落ち度だけど。 心の距離が近くなってくる彼を撥ね退けるのは、身を裂くように辛いことだけど。 それでも、それでも彼女は。 私はただ、○○に死んで欲しくないだけ、だから。 紅い月の表情は静かなまま。取り乱しもせず、泣きも喚きもせず。 だからこそ、傍でそれを見ている完全なる従者は、その胸の痛みを只慮ることしか出来なかった。 「しかし一体どうしたんですか、夜明け前に帰るなんて珍しいですよね」 「あー、まあ、少し……」 心なしか元気のない○○に、美鈴は首を傾げる。 「お嬢様と喧嘩でも?」 「んー……あー……振られた、と言いますか、何と言いますか」 「はあっ!?」 美鈴は目を丸くする。彼の言った言葉が信じられなかった。 「それ、お嬢様から断ったんですか?」 「というより、まあ、歯牙にもかけてもらえなかった、って感じで」 「そ、それおかしいですよっ!? だってお嬢様、○○さんが来るのあんなに楽しみにしてて……!」 「それでも」 ぽつり、と彼は言った。 「何も想ってなんかいない、と、そう言われました」 「そんな……」 何かがおかしいと感じた。少なくとも、自分の主人はそういうことには正直であると彼女は思っていた。 「……しばらく、紅魔館にはお邪魔しないつもりです。どうかよろしく言っておいてください」 「ちょ、○○さん……!?」 誰に、とは言わなかった。彼は心なしか顔を伏せて、繰り返した。 「当分は、訪ねることはないと思います、から」 「…………待ってください」 美鈴の声が静かになったことに気がつき、○○が顔を上げる。 「私が言うのも何ですが、お嬢様がそう仰ったのには必ず理由があるはずです」 彼が本当に来なくなれば、お嬢様は哀しむはず、で。 「だから、その辺りもわからずにそう言っているのなら――私は、貴方を怒鳴りつけなければならなくなるかもしれません」 「………………わかって、ますよ」 意外な返答に、美鈴は逆に気を削がれる。 「へ?」 「………………何か理由がある、ってことはわかってます」 「……わかって、って」 一度、凄まじい妖気で圧されたから、わかるのだ。 恐怖を得たから、恐怖を経たから、わかってしまったのだ。 彼女の妖気が、人間に根本的な恐怖を与えるあの気配が、あのときのものとは違っていたことに。 もし、もし、あの言葉が全て真実ならば。 何故貴女は、あんなに哀しい妖気で僕を圧したのか。 どうして、自分を傷つけるような、そんな声色だったのか。 僕のことを、嫌っていたとしても。嫌いだったとしても。 何故、それ以上に、哀しげだったのか。 「僕のことを好きじゃなくても、レミリアさんはあんな物言いを、簡単にする方じゃないと、思ってる」 「じゃあ、どうして……」 問いに、○○は神社の石段に座り込んだ。 「いや、実は、ですね、その、これでも」 「はい」 「結構、ショックだったりするんですよ? 告白して振られるって言うのは」 そのとき、美鈴は思わずぽんと拳で手を打って納得しそうになった。 あまりにいつも通りだったもので、彼女は今の今まで、彼が心底落ち込んでいることに、全く気が付かなかったのだった。 少し落ち着いた後、再び石段を登り始める。 「まあ、お嬢様にもきっと理由があるはずですよ。そうでなければ、○○さんをそもそも館に入れたりしませんって」 「だと、いいのですけれど」 それでも、何も想われてないという可能性はある、というかのように、○○は微苦笑気味に笑った。 石段を登りきって母屋の方に向かうと、霊夢と紫が並んで座っていた。どうやら二人でささやかに飲んでいたようだ。 「あれ、おかえり。今日は早かったのね。珍しいのもいるし」 「ああ、ええ、まあ」 「吸血鬼と喧嘩でもしたのかしら?」 「なら、まだいいのかもしれませんが」 苦笑する○○に、霊夢が微かに眉を顰める。彼女の知る彼は、あまり苦笑しない人だ。 「あらあら、だとすると振られたのかしらね」 「紫……」 「幾らなんでもストレートすぎでは」 呆れる霊夢と美鈴に対し、○○は、その通りです、と両手を挙げた。 「まあそれで、すごすご帰って来たわけで」 「自嘲は貴方に似合わないわね。それより貴方のポケット、何が入っているのかしら?」 紫に言われ、○○は反射的にポケットに手を入れる。そういえば、パチュリーにメモのようなものを貰っていた。 それをポケットから出し、それをおもむろに開いてみる。 「白紙? って……!」 『成功してるかしら、してなくても別に良いんだけど』 唐突に紙からパチュリーの幻像が浮かび上がって、言葉を紡いできた。 「あ、パチュリー様の新しい魔法ですかねえ」 「珍しいもの使ってるわね」 『まあ、美鈴が居るときに開けてたら、成果を報告させて頂戴。そして本題ね。 貴方が思うままに行動するといいわ。レミィのことを本当に想うならね。私からはそれだけよ』 それだけを伝えて、幻像は消える。もう一度閉じて開いたが、もう像は出てこなかった。 「…………」 「どうしました?」 「いや、紅魔館の皆さんって、本当にレミリアさんのことが大好きなんですね」 「それは当然ですよ。だって、私達の大事なお嬢様なんですから」 ○○は頷いて、そして、呟いた。 「パチュリーさんにお伝えください。ご助言、ありがとうございます、と」 「お任せください」 「ふふ、じゃあどう? 失恋の憂さ晴らしに、一献付き合わない?」 「有り難い申し出ですが、今日のところは休ませていただきます。霊夢さん、お先に」 「ええ、ゆっくり休んでて」 ○○が入っていったのを見送った後、紫は美鈴にも勧める。 「貴女はどう?」 「流石に戻らないと、咲夜さんに怒られてしまうので」 「そう、残念ね。それにしても、吸血鬼も馬鹿なことを。折角の手を振り払ってしまうなんて」 紫の物言いに、美鈴がむっとしたように気配を鋭くする。 「お嬢様を侮辱するのでしたら許しませんよ」 「あらあら、ごめんなさいね。そんなつもりじゃなかったんだけど」 「紫は喧嘩売ってるように聞こえるのよ」 「あら、それもわかって言ってるわよ」 相変わらず読めない様子に、やれやれ、と霊夢はため息をついた。 「それでもね。最善の手を取らなかったのもまた事実よ」 「レミリアが?」 「だけとは限らないけど。まあそもそも、妖恋譚は相応の覚悟が必要だからね」 「それが足りなかったと言いたいのですか?」 「さてね。言い切るには、まだ早いかもしれないけれど」 紫はそう微笑って、盃に口を付けた。 彼女にとってまだまだ若すぎる二人の行き先を、知っているかのように。 部屋に入って、壁に背をもたせかけたまま、ずるずると○○は座り込んだ。 落ち着いてくると、本当に心から感じてしまう。 振られたこともショック、だったけれども。 それと同じくらいに、彼女にあんな表情をさせたことが。 振り返ったときに一瞬だけ見た、あの苦しそうな表情が。 あの表情をさせてしまったことが。 同じくらい、辛かった。 振られることを考えてなかったわけじゃなく、運が良ければなんて虫のいい話も考えていたけど。 あんな哀しそうな辛そうな顔をされるなんて、考えても無くて。 あんな表情させるくらいなら、言わなければ良かったのではないかと。 ぐるぐると回る思考は堂々巡りになって、ただただ後悔のみが募っていく。 今夜はもう、眠れそうに無い。 心に呟いて、彼は静かに座って夜が明けるのをぼんやりと眺めていた。 貴方は、優しい、から。きっと。 私の傍にいて欲しいと願ったら、貴方はきっと受け入れてしまう。 それこそ、人間であることを止めてでも。 私の眷属になることを願ってでも。 その情景は、意識せずとも浮かんでくる。 ○○がその言葉を口にする姿。 それを思う度に、レミリアの心は悲痛な音を立てた。 そうしてしまったら。もしそうしてしまったら。 貴方のその自由を、私は奪ってしまう。 その奔放さも自由さも、何もかも全て。 そうすれば、私の傍に居ても貴方が死なずにすむとわかっていても、でも。 私は貴方に、自由に居て欲しかった。 レミリアが垣間見ることの出来る彼の運命は、もうすでに一つしかなくて。 それを回避させる手段の一つは、決して取りたくないもので。 だから、彼女には。 彼を撥ね退けることしか、手段が残されていなかった。 そう、思っていた。 「……レミィは我が侭ね」 「……そうかしら」 「ええ、そうよ」 パチュリーは本から顔を上げ、どこか沈んでいる親友に優しく微笑みかけた。 「我が侭を言うなら、それを貫き通せば良いのに」 「貫いてるわよ。どうして私が妥協しなきゃいけないの」 「そうね」 でも、貴女は○○さんのことになると。 声にしなかった言葉も、きっと親友には伝わっていて。 だから、その瞳が愁いを帯びているのを、今はただ見守るしかないのだ。 運命の操り糸も解く指も、彼女と彼の手の内にしかないのだから。 そして、優しく哀しくすれ違った想いは交わらぬまま、運命だけが結末に向けて加速していった―― うpろだ1112、1143、1173 ───────────────────────────────────────────────────────────
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レミリア・スカーレット 特徴 4強の一角。優先的に対策したい。 普通の昇竜、1Fグレイズで追撃可能な波動、意味不明な発生と判定のJ2A、霊力0で魔法陣コンボ&ダッシュの硬直を考慮してもおつりが来る追撃猶予によるコンボの安定性を併せ持つ。 発生7Fの近A、範囲とリターンを兼ね備えた対空2A、ノーキャン有利の3Aと小技も高性能。 そこをいかに対策し、いかに冷静に立ち回り、いかにこれをフォローするかが対レミリア戦での勝利の鍵となるだろう。 霊夢側の移動起き上がりが最低クラスの為、起き攻めが強いレミリアに対して、倒れたら負けの気持ちが必要である。 ちなみにレミリアの移動起き上がりは異様に早い。 なお射撃強度の面ではこちらが圧倒的に勝っている、遠距離では断然有利。 このキャラに対しては特にキャラ対が必要の為、細かく説明していきたいと思う。 なお、飛翔が他キャラにない独特の軌道の為、地雷があれば立ち回りが非常に楽になる。このキャラ専用に四枚突っ込んでおくといいかもしれない。 ダッシュの全体動作が長いが、歩行速度が早い。不審な間合い調整を見たら置き6Bをすると割と刺さる。 警戒すべき通常技/スキル/スペカ 近A発生7F、これだけなら他キャラの7F組みと同じだが、飛翔が独特の為、飛翔で一気に裏に回られ(めくり)そのままA連喰らう事も結構ある。 ドラキュラクレイドル(5コス)を構えられていると4A連打 ドラクレで4200程度持って行かれる。 2Aレミリアの対空手段。発生10Fの空ガ不可 レミリア側9F不利なので連ガ構成でキャンセルしない限り風神脚が確定する かなりの性能だが欠点も多い、特に持続が短く、当たってるように見えて当たってない場面も結構多かったりする。 霊夢側のJAの弱体がかなりきつく感じる場面、硬着もそれなりに長い為、2A対空ガン読みでJ2Bを入れたりするとそのままコンボに持っていける。 3Aこの技を密着ガードできても反確できる技を霊夢は一切ない。脅威の3A。(ターンは取れる為、逆にこちらが固めに移行することは出来る。) 先端当てでレミリア側が9F有利を取れるという性能(ガード不利-6~+9F有利)、かなりの反射神経がいる。(一瞬で有利か不利かを判断するのはやや難しい。) ドラキュラクレイドルを構えられていた場合、結界狩りで入れられる場合がある、その場合は逃げる事は不可能。 何はともあれ、基本は結界で逃げたい(レミ有利かこちらが有利かは判断が難しい為)、ただこの技に集中しすぎると6Aや溜6Aで霊力をもってかれる J2A全キャラ屈指のめくり性能、早いうえに非常にわかりづらい判定を持つ為、ほとんど勘でガードする事になる。 J2Aの判定の真下(エフェクトのド真ん中)をガードすると本当に左か右かわからない。 霊夢は移動起き上がりが最低クラスの為、特にこれで攻め継続されやすい。 わかりやすいめくりをしてくる相手に対しては楽にガードできる。 昇りで出した場合は屈めばスカせる J6A慣れてないと反撃しづらい、主に飛翔で裏にめくった後に奇襲で仕掛けてくる。 ちなみに霊夢は地上でこの技をガードすると基本的に反撃が不可能、空中でガードすると前結界からフルコンが可能。 以下スキル デーモンロードウォークグレイズのある突進技 見た目以上に上方向の判定があり、落下中だとめくられることがある。 ガードで13F有利だが、近Aで反撃するとAAAがスカりやすいので2AやDAで反撃すること Cとセットで突っ込んで来た場合は前結界から反撃したいところだが、ヒットストップが0Fなので最速結界はまず無理 chだと追撃されてかなり痛い、通常hitでも位置次第では追撃される。どうなってんのよ デーモンロードクレイドル昇龍、BCともにLv1から全身打撃無敵がつく BCともにグレイズは無いので射撃で潰すことも可能 ガードできたらフルコン確定 何故かLv0でも1.5kという異常な高威力 サーヴァントフライヤー起き攻め、攻めの起点、反確技のフォローに使ってくる。(ウォークやデーモンロードアローとかに) C射で消そうとすると、レミリアがC射をガードで消してしてサーヴァントを残そうとしてくることがある 発生保障は無いので、甘えたサーヴァントにはDCで叩き落してみてもよい。 デーモンロードアローグレイズで突っ込んでくる。 こちらの射撃を見てから飛んでくる場合もある為注意しよう。 なお地雷があると相打ちになる、結果としてほとんどダメ勝ちする。 ヴァンパイアクロウ非常に癖のある技、対策(特に上下段、クラッシュの判断)が必要。 B版、C版で性能が違う、B版は三段目にホールドで中段クラッシュ、C版は三段目にデフォルトで下段クラッシュ属性がつく。 基本的に二段目まで中段でガンガしたい、下手にダッシュするとディレイクロウが飛んできてダメージを受けかけない。 トリックスターデビル空ガ不可打撃で、主にめくりに使われる 対策必須、でも対策できない、見えるかばかもーん!という感じのスキル。 起き攻めされると、トリスタ、J2Aめくり、通常攻撃による理不尽な択を攻められる。 基本的にB版(こちらの裏に回り二段攻撃を仕掛ける)を使ってくる 急に使われたらまず見えない、それくらい発生が非常に早くてモーションの関係上判断がしづらいスキル。 ガードできたらフルコン、ただしAAAはスカることがある なお起き攻めしようとしたらリバサCトリスタで逆にめくられてましたなんて事もある。 空ガ不可狙いでの発動もあるので注意 これまたLv1で1.6kという高威力 ロケットキックアップほぼコンボ用。あまり見かけない バンパイアキスガード不可 C版はかなりリーチが長い ジャンプでの回避が安全 チェーンギャング1.10より性能変化、B版は設置技、C版は発動後チェーンに吸い付くように相手を追いかける。 B版は起き攻め用 C版はコンボ、相殺の無い速射として使われる 地雷設置時にC版がヒットした場合、レミリアが地雷に直撃する。 デモンズディナーフォーク速射、強度は弱かったりするが速度は霊夢のバスターを上回る。 見てから対応するのがやや困難。 遠距離~中距離で地雷設置に合わせてこのスキルで吹っ飛ばされることもあるので注意 シーリングフィア上に行った後ボーンとレミリアが振ってくる。 B版はステージの3分の1、C版は3分の2ぐらい移動した位置に降ってくる 1弾目は打撃で毎回めくりの可能性があるのが厄介 上昇中グレイズ、落下中はグレイズは無いが軌道の都合で射撃での妨害は困難なので、射撃読みで使ってくる場合がある これまたLv1で1.8kという高威力 スティグマナイザー1.10より弱化。 以下スペカ 必殺「ハートブレイク」扱いやすいスペカ、安定した性能を持つ。 中距離~遠距離射撃読みでぶっぱもありえる、特に地雷を使っている場合は気をつけよう。 暗転が早いので見てからB亜空穴が可能 夜符「デーモンキングクレイドル」隙消し、反確の技を色々フォロー出来る。 紅符「不夜城レッド」無敵技。発生15F、霊力削り1.4 対処は普通の無敵技と同じ 夜符「バッドレディスクランブル」壁に張り付いたあと一定の角度でグレイズつきの突進をしてくる 台風呼び込みぶっぱに要注意、台風が来そうでレミリアがこれを構えていたら注意すること。 台風ぶっぱはC亜空で回避が可能 軌道は壁に張り付いたあと一定の角度で直進する 命符「ミゼラブルフェイト」ほぼ割コン専用、チェーンギャングをたくさん撒く。 密着ガードでとんでもない霊力削りを誇る、下手をすれば霊力5から割られてしまう事も。 神槍「スピア・ザ・グングニル」レミリアのエースカードの一枚。 コンボ、割り、フォローから攻め継続と汎用性の高いカード ガードさせると霊球を2個、体力を1000程度削り、40Fほどレミリア側が有利、やられた場合は基本的に我慢したい。 これも暗転が早いのでぶっぱなら見てからB亜空穴が可能 「ミレニアムの吸血鬼」自分だけ濃霧の効果を手に入れる、が、防御力は下がる諸刃の剣。 気をつけるといっても、無駄なダメージを受けないようにするぐらいか 悪魔「レミリアストレッチ」発生が遅いロマンスペカ、コンボに入れられる事は滅多にない。 ガードが出来ない為、ダイヤモンドダスト専用のスペカと考えてもらってよい。スーパーアーマーがある。 使われた場合、余裕があるならレミリアの背後へ移動余裕が無い場合は被ch判定の無いC亜空での回避を推奨 紅魔「スカーレットデビル」レミリアのエースカードの一枚。 安定した性能を持つ、ガードでの霊力削りが2の為割コンも考えられる。 構えられた場合はぜひぶっぱを釣りたい、釣りに成功するとフルコンが確定する。 夜王「ドラキュラクレイドル」レミリアのエースカードの一枚。 とんでもない性能、威力はほぼ4コスだが4A暴れから各種攻撃からつながりまくるので汎用性が異常に高い。 スキル相性 博麗アミュレットレベルを上げれば独特な飛翔の合間に刺さりやすい相性の良いスキル。 ただしレベルを上げないと簡単に抜けられてJAAを喰らったりするので注意したい。 拡散アミュレットそれなりに機能、投げると無理矢理ダッシュ等を強制させられる、中距離~遠距離で撒く事を推奨。 妖怪バスター中距離~遠距離での要、レミリアに対しての236系はどれも相性が良いがバスターだと硬着をグレイズされやすい。 だが速射を持てる事は大きいのレミ側のサーヴァントを置いている所に貫いたりすることが出来る。 昇天脚基本的にB版封印したい、やるならばC射と空中から突っ込んでくるレミリアに対してのC版による反撃。 疎雨等、レベルマックスになっていればB版での切り返しにも頼っていきたい所。 移動起き上がりが最低クラスの霊夢にとってレミリアの起き攻めは非常につらい、リバサできるこのスキルを強化すれば非常に立ち回りが楽になる。 他の昇龍はレミリアの前ダッシュの性質上相性が悪い 警醒陣レミリアの射撃を封殺できる非常に頼りになる盾。 低空の適当な部分に張っておけば軌道に癖のあるレミ側は非常に厄介。 しかしロードアローがあると突っ込んでくるので注意。 常置陣主力、これを張っておけばレミ側の行動をほとんど潰せる。 しかし一部空中コンボは地雷を完全スルーされるので甘えた地雷は置かないように心がける事。 基本は中央あたりに張っておきたいが中距離あたりから急接近されるかなと思ったらB版を急いで設置、大抵引っかかってくれる。 ディナーウォークを持たれたら甘い射撃に差し込んでくる、その場合はバスターや座布団等を盾に地雷を置いておこう。 繋縛陣使い方次第ではかなり使えるが機能するかは人それぞれ。 遠距離では飛翔の特殊なレミリアにとって厄介…なのか? 普通にグレイズで突っ切られて反撃される事もあるが、基本的にはやはり地雷を使っていきたい所。 亜空穴ディナーフォークを持たれた場合の奇襲要因として使える。 地雷はるぜー!って所をB亜空でCHできたら美味しい。 刹那亜空穴使えるスキル、当身があるという事はレミ側の起き攻めを警戒させることが出来る。 レミ側の通常打撃を全部B版で取れるという事だけを覚えておけば結構楽になるが刹那の発生はセッカッコーを使う人ほど早くはないので時には耐える。 封魔亜空穴あまり機能はしないとは思われるが使い方次第。 クラッシュ属性攻撃 中段:ヴァンパイアクロウ(B版、溜め攻撃)、溜6A 下段:ヴァンパイアクロウ(C版) 空中ガード不可攻撃 通常地上打撃全て ヴァンパイアクロウ、トリックスターデビル 各状況の対策 近距離 基本的に不利、レミリアのキャラ性能を生かされる距離。 レミリア側のこの距離はやれる事が非常に多い、特にめくりに注意したい所。 地雷があれば自身の下あたりに張っておけば安心。 ダメージを喰らっても逆に地雷に当たってくれてダメ勝ちする事も多い。 昇龍ガードしたらB射ループで3kもっていきたい。 中距離 レミリア側の奇襲に注意したい。 飛翔 or ダッシュから一気に近寄られJAA~を喰らいかねない。 座布団でほとんどの射撃を消せるが、相手の移動が早いので気をつけて撒くこと。 遠距離 JAを生かすため、霊夢空中相手地上という状況を作っていくことの多い霊夢だが レミリア側がそれを嫌ってHJ→ダッシュ等で霊夢の上を取ろうとする場合、空中で後退しつつ射撃を撒くと刺さり易い。 レミリアの空中ダッシュの短さを突いた立ち回りである。 特にバスター持ちだと思わぬ所でダメージを稼げるので覚えておくと良い。 距離をとるとサーヴァント設置から攻められることが多いので読んでB亜空も有効 空対空 五分五分~有利、距離にもよるが基本的に霊夢が有利ではある。 めくりJ6A等に注意したい、JAだけではなくJ2A、J8A、J6Aを工夫して振れば勝機が見えてくる。 地対空 レミリア側のJ2Aに注意したい。 空対地 レミリア側の2Aに注意したい。 クレイドルで突撃してくる時もある、その為射撃と共に突っ込む事を推奨。 固め、運び対策 3Aについて対策、自分地上 No. パーツレシピ、対応 その後の連携 備考 1 3A 結界 有利、不利に関わらず基本的に2結界推奨。 結界 デーモンロードクレイドル 結界狩り、ガードできた場合フルコン可能。 結界 夜王「ドラキュラクレイドル」 危険、このスペカが構えられている間は結界しないほうがいい。 誤ガード 相手有利、霊夢の近Aじゃ間に合わない。 誤ガード 神槍「スピア・ザ・グングニル」 連ガ割コン、霊力を3削られる。 コメント 常置陣使いましょう。すごく有効です - 名無しさん 2010-02-15 01 29 09 名前
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